平野義太郎宛書簡

一九三一年九月二十日

野呂栄太郎




拝啓 前略、
その後平田兄、羽仁兄等と相談の結果 各部会を別々に開くと各部に関係のある者が何度も会合のために煩わされるから、もう少し仕事が進行するまでは共同部会にしてはどうかというので、一応全体を次の四部に分けて見ました。
第一部  明治維新史(幕末史、維新変革史)
     土屋、羽仁、久保、服部、平野、山田(勝)、山田(盛)、野呂、玉城、長谷川
第二部  資本主義発達史、(但し、文化史を除く)
     山田(盛)、山田(勝)、逸見、大塚、野呂、平田、小川、平野、木村、大内、服部、田中、寺島、羽仁
第三部  文化史
     大塚、秋田、中野、長谷川、山下、羽仁、平田
第四部  帝国主義日本の現状
     井汲、野呂、野村、平田、田中、寺島、山口、今野、逸見、平野
第一部と第二部とを、そしてまた第三部と第四部とをそれぞれ同一日の午前と午後とに開くことにしようと思いますが、御意見如何です。そしてだいたいの予定としては第一部会は日曜日午前九時から、第二部会は日曜日午後一時から、第三部会は土曜日午前九時から、第四部会は土曜日午後一時から開くことにしては如何かと思いだいたいそのようにしました。この点についても御都合御洩らし下さい。会合の場所は岩波小売店二階。
それから、通信その他の事務上の打合せは、第一部羽仁、第二部野呂、第三部平田、第四部井汲がそれぞれ各部編集責任者と連絡を取って決定通知することにしました。
で、次の第一部会を四日(日)午前九時から、第二部会を四日午後一時から、第三部会を三日(土)午前九時から、第四部会を三日(土)午後一時からいずれも岩波で開くことにいたしたいと思います。
次の会合では主として、各部各項目の一般的見通し、主要参考資料等について各自が案を持ち寄って討議し、その上で今後の各部会の研究方針等を決定したいと思います。各担当者への通知のために同封のような端書を印刷しました。
早々全体の部会を持つ必要があると考えましたので、専断ながらわれわれ三人で一応右のように決定致しましたから何卒悪しからず御諒承下さると共に御意見御もらし願います。まずはとりあえず御通知旁々かたがた御伺いまで。
敬具
野呂栄太郎
   平野様
     御侍史





底本:「野呂栄太郎全集 下」新日本出版社
   1994(平成6)年12月5日初版
※作品名は、便宜を考慮して、入力時に新たに付したものです。
入力:山田剛
校正:土屋隆
2005年3月19日作成
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