拝復
たびたび御手紙
井汲、逸見両兄の方へは督促の手紙を出しておきましたが、なお積極的に促進する
羽仁兄も丁度来られたので至急脱稿方依頼しておきました。
永らく編集方面のことを貴下方にばかり御任せして放棄しておき何とも申訳なく存じております。御蔭で大分元気を恢復しましたので、二十五日頃からはできるだけ再三上京して進行の不均等の恢復に努力いたしたいと存じます。いろいろ御相談もありますので、二十五日の午後一時から鉄塔書院で御会いいたしたいと存じますが御都合如何でございますか? 当日は山田氏、羽仁氏にも御参集を願いたいと思っていますが、山田氏はまだ
まずは御返事とかねて右御案内まで。
敬具
栄太郎
五月二十三日朝平野様
侍史