●表記について
本文中の/\は二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)。
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」。
本文中の「々」は、「折々は田螺にぎりつ田草取」の句を除いて(二の字点、第3水準1-2-22)。
本文中の※は、底本では次のような漢字(JIS外字)が使われている。
不二こえたくたびれ※や隅田の雁 朝※のひるまでさいて秋の行 面※の聲朧也春の陣 灌佛や酒のみさうな※はなし 朝※のつるさき秋に屆きけり 我※を蚊にくはせたる思ひかな ひる※に雨のあとなき砂路哉 晝※の物干竿を上りけり 晝※の眞ツ晝中を開きけり 夕※に行脚の僧をとゞめけり 泥水に夕※の花よごれけり 朝※や傾城町のうら通り 稻妻に朝※つぼむ夕かな 朝※は命の中のいのちかな |
![]() 第3水準1-14-51 |
つきあたる※一いきに燕哉 秋のくれ見ゆる※見るふしの山 |
![]() 第4水準2-89-83 |
澁※や行來のしげき道の端 ※の實やうれしさうにもなく烏 澁※のとり殘されてあはれ也 澁※もまじりてともに盆の中 月白く※赤き夜や猿の梦 |
![]() 第3水準1-85-57 |
ほの/″\に朝顏見るや※一重 |
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稻妻のかほをはしるや※のくれ |
![]() 第4水準2-82-81 |
葉も花になつてしまうか※珠沙花 そのあたり似た草もなし※珠沙花 野ぜんちをさゝへて咲くや※珠さけ |
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まいた餌に※もどる菊畠 初※も知るや義農の米の恩 一つ家を毎晩たゝく水※哉 新場処や紙つきやめばなく水※ ※頭や馬士が烟管の雁首で ※もうたひ參らす神迎 ぬく/\と日向かゝえて※つむる 春季カ |
![]() 第3水準1-93-66 |
※坤をこねて見たれは佛かな 姫百合に※飯こぼす垣根かな 大佛やかたつら※く朝の露 ※鮭も熊も釣らるゝ師走哉 ※鮭の腹ひや/\と風の立つ |
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※が織り妹が縫ふて更衣 |
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時鳥上野をもとる※車の音 時鳥上野を戻る※車の音 ※車道にそふて咲けりけしの花 ※車道に堀り殘されて花野哉 御殿場に鹿の驚く夜※車哉 ※車道の一すぢ長し冬木立 |
![]() 第4水準2-79-6 |
北※へさゝぬばかりそけふの月 夜半ふと眼を開けば※外月あかし 冬籠夜着の袖より※の月 |
![]() 第3水準1-89-54 |
※の蘆にとびつく襖かな |
![]() 第3水準1-91-55 |
かりそめの鑵子のつるや蔦※ 箱根路は一月早し初※ 岩鼻に見あげ見おろす※哉 背に烏帽子かけた仕丁や薄※ 傘にをり/\見すく※哉 神殿の御格子おろす※哉 廊下から手燭をうつす※哉 山寺に塩こぼし行く※かな 藁屋根にくさりついたる※哉 |
![]() 第3水準1-85-64 |
明耿々朝日に並ぶ菊花※ |
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