孔雀船

伊良子清白




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故郷の山に眠れる母の靈に


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岩波文庫本のはしに


 阿古屋の珠は年古りて其うるみいよいよ深くその色ますますうるはしといへり。わがうた詞拙くふしおどろおどろしく、十年とゝせ經て光失せ、二十年はたとせすぎてにほひ去り、今はたその姿大方散りぼひたり。昔上田秋成は年頃いたづきけるふみ深き井の底に沈めてかへり見ず、われはそれだに得せず。ことし六十むそあまり二つの老を重ねて白髮しらがかき垂り齒脱けおち見るかげなし。ただ若き日の思出のみぞ花やげる。あはれ、うつろなる此ふみ、いまの世に見給はん人ありやなしや。

ひるの月み空にかゝり
淡々し白き紙片かみびら
うつろなる影のかなしき
おぼつかなわが古きうた
あらた代の光にけたれ
かげろふのうせなんとする

昭和十三年三月
清白しるす
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小序


 この廢墟にはもう祈祷も呪咀もない、感激も怨嗟もない、雰圍氣を失つた死滅世界にどうして生命の草が生え得よう、若し敗壁斷礎の間、奇しくも何等かの發見があるとしたならば、それは固より發見者の創造であつて、廢滅そのものゝ再生ではない。

昭和四年三月
志摩にて
清白
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漂泊


蓆戸むしろど
秋風あきかぜいて
河添かはぞひ旅籠屋はたごやさびし
あはれなるたびをとこ
夕暮ゆふぐれそらながめて
いとひくうたひはじめぬ

なきはゝ
處女をとめりて
しろぬかつきあらはれ
なきちゝ
童子わらはりて
まろかた銀河ぎんがわた

やなぎ
かはしろ
かはえてけぶり小野をの
かすかなるふえありて
旅人たびびとむねれたり

故郷ふるさと
谷間たにまうた
つゞきつゝえつゝかな
大空おほぞら返響こだまおと
そこのうめきのこゑ
まじはりて調しらべふか

旅人たびびと
はゝはやどりぬ
若人わかびと
ちゝくだれり
小野をのふえけぶりなか
かすかなるふしのこれり

旅人たびびと
うたつゞけぬ
嬰子みどりごむかしにかへり
微笑ほゝゑみてうたひつゝあり
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淡路にて


古翁ふるおきなしまくに
にまじり覆盆子いちご
かど生鈴いくすゞ
百層もゝさかおごりよぶ

白晶はくしやうさらをうけ
あざらけきそゝ
ぐわつ飮食おんじき
けたゝましにじはし

清涼せいろうさといでゝ
まつまつ
大海おほうみのすなどりは
ちぎれたり繪卷物ゑまきもの

鳴門なるとうみさち
はら胸肉むなじゝ
おしあてゝ十人とたり
同音どうおんにのぼり
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秋和の里


つきしづめる白菊しらぎく
あきすさまじきかげ
千曲ちくま少女をとめのたましひの
ぬけかいでたるこゝちせる

佐久さくたひらかたほとり
あきわのさとしもやおく
さけうるいへのさゞめきに
まじるゆふべかりこゑ

蓼科山たでしなやま彼方かなたにぞ
としるをろちむといへ
つきはろ/″\とうかびいで
八谷やたにおくらすかな

旅路たびぢはるけくさまよへば
れしころもさむけきに
こよひほがらのそらにして
いとゞしこゝろいたむかな
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旅行く人に


あめわたし
   順禮じゆんれい
姿すがたさびしき
   夕間暮ゆふまぐれ

きり山路やまぢ
   駕舁かごかき
かけごゑたか
   朝朗あさぼらけ

たびきようある
   頭陀袋づだぶくろ
おもきを土産つど
   かへきみ

惡魔あくま木暗こぐれ
   ひそみつゝ
ひとたから
   ねらふとも

天女てんによいづみ
   ちて
小瓶をがめあらふも
   らむ

山蛭やまびるはだ
   らば
たに藥水やくすゐ
   あふるべく

船醉ふなゑひうみ
   くるしむも
龍神りゆうじんむね
   いやすべし

とりかばね
   えて
やま地獄ぢごく
   吹嘘いぶくこゑ

うしほ異香いかう
   くんずれば
うみ微妙みめう
   蜃氣樓かひやぐら

れてうまや
   まち
旅籠はたごかど
   くゞるとき

よねくろきに
   おどろきて
さとみやこ
   なか

女房にようぼ語部かたりべ
   せなすりて
むら歴史れきし
   かうずべく

あるじ膳夫かしはで
   雉子きじ
うまあつもの
   とゝのへむ

芭蕉ばせを草鞋わらじ
   ふみしめて
圓位ゑんゐかさ
   いたゞけば

風俗ふうぞくきみ
   鹿島立かしまだち
おきなさびたる
   可笑をかしさよ
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黒潮くろじほながれてはし
沖中おきなかたゞよしま

ねぶりたる巨人きよじんならずや
かしらのみなみいだして

峨々がゞとしていはかさなれば
はなかほなる

裸々らゝとしてかうぶらず
そびえたるいたゞきたか

とりくもうをぶも
あめるもいでるも

青空あをぞら大海原おほうなばら
はるなつあきふゆとも

ねぶりたる巨人きよじんらず
幾千年いくちとせぐわんたりがく[#「山+咢」、U+5D3F、27-7]たり
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海の聲


いさゝむらたけ打戰うちそよ
をかこみちはてにして
くねり可笑をかしくつら/\に
しげるいそべの磯馴松そなれまつ

はな紅葉もみぢもなけれども
千鳥ちどりあそべるいさごぢの
なぎさちかてば
しづみてあをうみいし

かひひろはん莫告藻なのりそ
まんといひしそのかみの
うたをうたひて眞玉またまなす
いさごのうへをあゆみけり

なみなみとのかさなりて
すなすなとのうちふれて
ながれさゞらぐこゑきくに
いせをのあま耳馴みゝなれし
おととしもこそおぼえざれ

やしろをよぎりてらをすぎ
すゞらしかねをつき
うみ小琴をごとにあはするに
みてかなしきふえとなる

御座ございりうみ西にしかた
和具わぐ細門ほそどふねけて
布施田ふせださと青波あをなみ
うしほわたあま兒等こら

われそのふねうかべばや
われそのみづわたらばや
しかずともづなはな
今日けふ和子わくごともたらん

ずやとも越賀こがまつ
ずやへさきにあをみね
ゆたのたゆたのたゆたひに
しほなごみぞはかられぬ

なごみはしほのそれのみか
うららかに志摩しまくに
そら黄金こがねつどふらん
かぜ長閑のどか英虞あごやま
はなあがたをよぎるらん

よしそれとても海士あま
うたうたはずばせんぞなき
うたひてすぐる入海いりうみ
さしいはもほゝゑまん

言葉ことばすくなき入海いりうみ
なみこそきみともならめ
大海原おほうなばらのこらは
あまの少女をとめみづ

さても※(「糸+賺のつくり」、第3水準1-90-17)かとりきぬならで
船路ふなぢ間近まぢか被衣かつぎ
をんなだてらに水底みなぞこ
黄泉國よもつぐににもかよふらむ

黄泉よみ醜女しこめ嫉妬ねたみあり
阿古屋あこやかひつら
かほ子等こらいざなひて
いはひつぎもつくるらん

さばれ[#「さばれ」はママ]わたなるそこひには
ちゝしづみぬちゝのみの
はゝこやしぬ柞葉はゝそは
うまながらに水潛みづくゞ
うたのふしもやさとるらん

くしてたり砂濱すなはま
かざしりぬ岩角いはかど
くろしづめるのうちに
うつるはうみこひぢのみ

わかきがはだ潮沫しほなわ
るゝにはやまかせけむ
いはにくつる捨錨すていかり
それだにさとなつかしき

哀歌あいかをあげぬうみなれば
花草船はなぐさふねながれすぎ
をとめのむれふね
そでにかくるゝあきゆめ

ゆめなればこそ千尋ちひろなす
うみのそこひもゆるなれ
それそのいしまろくして
しろきはほしはてならん

いましあま艪拍子ろびやうし
など亂聲らんざうにきこゆるや
われいまうみをうかがふに
とくながかほあをみたり

ゆるさせたまへ都人みやこびと
きみのまなこはほがらかに
いかなるうみ射貫いぬくらん
つたへきくらくこのうみ
をとこのかげのさすときは
かへらずえず潛女かつぎめ
ふかごふとぞおそれたる

われ微笑ほゝゑみにたへやらず
かたたゝいて童形どうぎやう
かみつばさうたがひし
それもゆめとやいふべけん

しまこそうかべくろ/″\と
この入海いりうみしまなれば
いつ羽衣はごろもしづ
ばずかけらずりぬらむ

ればむらさきびて
陽炎かぎろひわたるたまのつや
つや/\われはうけひかず
あまりにかろ姿すがたかな

しら松原まつばら小貝濱こがひはま
つるや小舟をぶね船越ふなごし
むかししほかよひけん
これや月日つきひ破壞はゑならじ

しほのひきたる煌砂きらゝずな
うみのならでたれかまた
かゝるみぎは仄白ほのじろ
かゞみありとやおもふべき

大海原おほうなばら入海いりうみ
こゝにせまりて海神わたつみ
こゝろなぐさやすさびや
くがほそめしのみわざ

いま細雲ほそぐもわた
紀路きぢはるけし三熊野みくまの
白木綿しらゆふける海岸うみぎし
つるとゆる夕日ゆふひかな
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夏日孔雀賦


そのあるじみちびかれ
には置石おきいし石燈籠いしどうろ
物古ものふ木立こだち築山つきやま
けいところうちぎて
いけのほとりをれば
たなにつくれるふぢはな
むらさきふか彩雲あやぐも
かげにかくるゝ鳥屋とやにして
つがひ孔雀くじやくすな
いうなる姿すがたつるゝよ

尾羽をばおもくして
あゆみはおそき孔雀くじやく
雌鳥めとりればたをやかに
柔和にうわしやうそなふれど
あやつゝめる毛衣けごろも
おのまばゆ風情ふぜいあり

雌鳥めどり雄鳥をどり立竝たちなら
すなにいざよふかげかげ
かざとぼしぢて
雌鳥めとりすこ退しりぞけり
落羽おちばえずすなうへ
きよきたる園守そのもり
はゝきあとせやらず
ひと藤浪ふぢなみ
はなついば孔雀くじやく
なが花總はなぶされて
あゆめばとほ砂原いさごばら
きみきた孔雀くじやく
尾羽をばひろぐるよあなやいま
あなひろげたりこと/″\く
こゝろめたる武士ものゝふ
はれよろひたるかな
はなさかもり宮内みやうち
櫻襲さくらがさねのごときかな
ひとつの尾羽をばをながむれば
みぎひだりにたちわか
みだれてなび細羽ほそばね
金絲きんしぬひさばくかな
まろりたるうへ
まろくおかるゝれば
くもみねなつ
ほのほゆる日輪にちりん
なかしよくするかげごと
さてもおもてこまやかに
げに天鵞絨びろうどやはらかき
これやれてもまほしの
ゆびむなしき心地こゝちせむ

いとゞ和毛にこげのゆたかにて
むねまとへる光輝かゞやき
むらさきふか羽衣はごろも
紺地こんぢかみ金泥こんでい
文字もじすかすがごとくなり
かぶりてる二本ふたもと
はね何物なにものすぐにして
くらゐしめ名鳥めいてう
これいたゞきかざりなり
はいとさくひろ
さかんなるかな眞白ましろなる
すなおもてあゆ
きみそれすなといふなか
このとりかげところ
たへひかりにせずや
あふげばふかふぢたな
王者わうじやにかざす覆蓋ふくがい
かたちかよふかしこさよ
四方よもりたるはね
めぐりはまとふ薄霞うすがすみ
もとより鳥屋とやのものなれど
鳥屋とやよりひろゆるかな

何事なにごとぞこれまどらかに
れる尾羽をばよりかぜでゝ
さゞなみるごとく
はねはねとをくぞ
あまにしきそよ
かをりのくさはふまずとも
かをらざらめやその和毛にこげ
八百重やほへくもばずとも
ひゞかざらめやそのがひ
獅子しゝむなしきほらをいで
小暗をぐらもり巖角いはかど
そのたてがみをうちふる
たけ姿すがたもなにかせむ
わし御空みそらたか
みち縱横たてよこ
つらぬはねぶく
雄々をゝしきかげもなにかせむ
たれるべき花蔭はなかげ
とり姿すがたをながめ
ちずほろびずあたひある
永久とはひかりりぬとは
たれるべきこゝろなく
には逍遙せうえうれて
孔雀くじやく鳥屋とやひと
たかしめしをあたふとは
ときほろびよけよ
かたちえよせよ
其處そこのこれるものありて
かぎりもらずきはみなく
かゞやわたさま
いまわれりにそのものを
うつくしとのみなづ

振放ふりされば大空おほぞら
たりみんなみ
たか雲間くもま宿やどりけり
りてひまなき藤浪ふぢなみ
かげ幾重いくへにほへども
くれなゐゆる天津日あまつひ
ほのほはあまりつよくして
をさみだ
ぎんよりしろげて
これや孔雀くじやくうへ
盤渦うづきかへりほとばし
あるひつゆこぼ
あるひしもとおきむす
彼處かしこ此處こゝたはぶるゝ
千々ちゞ日影ひかげのたゞずまひ
ふかあさきの差異けじめさへ
色薄尾羽いろうすをばにあらはれて
涌來わきくあやかすかにも
すゑおぼろゆれども
きぬひかりいづみより
ひまなくそゝきんなみ
るにちかいけみづ
あたりはつねのまゝにして
かぜなきひるふぢはな
しづかにれてけるのみ

いまなつはじめとて
菖蒲あやめころなれば
ちからあるかなものはえ
わかみどりしげ
けぶりふかそのうち
いし青葉あをばでん
しづくこぼるゝこけうへ
しづくかたおもひあり
おもへばとほふゆ
かのうつくしきこほ
さぶねぐら起臥おきふして
北風きたかぜかよ鳥屋とやのひま
ふたつつばさうちふるひ
もとよりこれや靈鳥れいてう
さすがにはねみださねど
ちりのうきてられて
かたちうすむね
いのちぬべくおもひしが
かくばかりなるさいなみに
とりはいよ/\うつくしく
しきいくさふゆ
はるたちかへりなつきた
ひとにしてかつら
とり御空みそらむか
尾羽をばひろげててるなり
さんへたり光景くわうけい
にはおもてにあらはれて
くもてんうま
つばさかぜつよ
彼處かしこひづめれけんの
あめ深緑ふかみどり
おりらぬ新造酒にひみき
ながれればさかしまに
そここと/″\くあらはれて
そらといふらしさかづき
おとすは淺黄あさぎ瑠璃るりかは
には若葉わかば神飾かみかざ
たれくらしの車路くるまぢ
あさゆふとの雙手もろでもて
※(「敬/手」、第3水準1-84-92)さゝぐるたま陰光かげひかり
けてなんず春花はるばな
くらべばつよ夏花なつばな
れるやぢん驕慢けうまん
なんぢ孔雀くじやくはなやかに
またかすかにもこまやかに
千々ちゞ千々ちゞなる色彩いろあや
なくときなくまばゆくも
あらはししめすたふとさよ
くさなびきぬげて
木々きゞそよぎぬそでりて
すなはもの證明あかしなり
かへりておもふいにしへの
ひと生命いのちはる
三保みほ松原まつばら漁夫いさりを
かゝしてふあまきぬ
それにもたる奇蹟きせきかな
こひねがはくばすくなくも
此處こゝ駿河するがとよばしめよ

くて孔雀くじやくををさめ
つまふらしやをよびて
かたらふごとく鳥屋とやうち
はなはづかしく藤棚ふぢだな
はしらかげをよせて
かくるゝ風情ふぜいあはれなり
しば/\ふぢすな
ふむにわづらふとりとり
あなつかしきとり
はねにまつはる孔雀くじやく
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花賣


花賣娘はなうりむすめはおせん
十七はなりそめて
十八こひりそめて
かほもほてるやはづかしの

はみまれてあしるは
山家やまが子等こらげんあれど
こひ附子矢ぶすやきずつかば
どくとげぬくもおそからん

むらはづれのおばにきく
むかしいま花賣はなうり
こひせぬものはなかりけり
はなまどはすわざならん

いちえんなる花賣はなうり
わか脈搏みやくうはな一枝ひとえ
彌生やよひ小窓こまどにあがなひて
こひ血汐ちしほあぢははん
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月光日光


月光げつくわう
    かたるらく
わがしはいちひめ
  ふるあをきふえいて
  ふかあらゝぎ
  階級きざはし白々しら/″\
    ちにけり

日光につくわう
    かたるらく
わがしはつぎひめ
  香木かうぼくずゐかを
  槽桁ふなげた白乳はくにう
  ゆあみしてりかゝる
  花姿はなすがた天人てんにん
  喜悦よろこびつちどよみ
    にじたちぬ

月光げつくわう
    かたるらく
わがしはいちひめ
  一葉舟ひとはぶねにうけて
きりしたまよひては
  かみかたちなやましく
    みだれけり

日光につくわう
    かたるらく
わがしはつぎひめ
  かほうつ圓柱まろばしら
  おごどりれて
  かぜおこなみいか
  霞立かすみた空殿くうでん
  七せきすそいて
  黄金わうごんあとけぬ

月光げつくわう
    かたるらく
わがしはいちひめ
  しま岩陰いはかげ
  青白あをじろくころび
  はなもなくむくろのみ
    えにけり

日光につくわう
    かたるらく
わがしはつぎひめ
  しろちかくさふみて
  つまぐと王子みこ
  太刀取たちとりはぢじと
  らす駿足しゆんそく
  かきのせて直走ひたばせ
  國領こくりやうりしとき
  春風はるかぜ微吹そよふきぬ
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華燭賦


律師りしふもと
   てらをいでゝ
やまうへ
   たけはやし
ゆふべいへ
   かどりぬ

親戚うから誰彼たれかれ
   えんをたすけ
小皿こざらおと
   くりやにひゞき
しよくこゑ
   背戸せどおこ

小桶こをけみづ
   ひたすは若菜わかな
若菜わかなるに
   爼板まないたれず
あたらしき
   あともなければ

菱形ひしがたなせる
   まどそと
じやくゆき
   あつして
しづかにるゝ
   やまゆふべ

ゆふべ
   たのしきとき
ゆふべ
   きよとき
ゆふべ
   うつくしきとき

このゆふべ
   ゆきあり
このゆふべ
   つきあり
このゆふべ
   うたげあり

よわきを
   うれひて
かまどにのみ
   つな
しつりて
   はなひと

はなひと
   よびまゐらせて
このゆふべ
   はいはず
このゆふべ
   なし

律師りしせきいつ
   霜毫しやうがうあり
長人ちやうじんわづらはすに
   へたりゆふべ

琥珀こはくさけ
   むにさかづきあり
さかづきいろ
   くれなゐなるを
山人やまびと驕奢おごり
   ちやうずとふか

くれなゐくれなゐ
   芙蓉ふようはな
あきかぜ
   れたる其日そのひ
いち小路こうぢ
   みせたるを
律師りし堪能かんのう
   はこふた
紅花盃こうくわはい
   しよしてりぬ

紅花盃こうくわはい
   かさねて
雪夜せつやえん
   つきでたり
つきでたるに
   島臺しまだいもとくら

島臺しまだいもと
   くら
蓬莱ほうらい
   まつうへ
なゝめにおとす
   ひかりなれば

ぎん錫懸すゞかけ
   用意よういあらむや
やまたけより
   さゝみて
陶瓶すがめくち
   せしのみ

王者わうじや調度てうど
   ぬは何々なに/\
其子そのこおび
   うすむらさき
友禪染いうぜんぞめ
   唐縮緬とうちりめん

つやあるかみ
   むすとき
かぜよくかたち
   さからひくと
えんずるうらみ
   いま

わか木樵きこり
   まゆれば
しよくとき
   かげをうけて
ぬかしろひと
   しつにあり

はかまのうへに
   をうちかさね
こうずるせき
   はなのむしろ
むしろいろ
   ひやうするには
まだくちびる
   べにふか

きたいへより
   みなみいへ
みちすがら
   たるおもひ
はなにあらず
   みつにあらず

はなよりも
   みつよりも
うつくしくあま
   おもひむねあふれたり

いかづちちて
   やぶきしとき
諸手もろてかひな
   ゆるせしひと
いま相對あひむかひて
   つきはさ

さかづきとるを
   はづ二人ふたり
てんうへ
   わかほし
さけいづみ
   まへのぞみて
にほへるなみ
   づる風情ふぜい

紅花盃こうくわはい
   琥珀こはくさけ
しろより
   あらにうけて
百のうくるも
   るな二人ふたり

御寺みてらたふ
   とびられる
神女しんによたはぶ
   しやういて
ふにまされる
   雪夜せつやのうたげ

律師りしめいじて
   きたいへ
月下げつか氷人ひようじん
   りてのち
二人ふたりいさゝか[#「いさゝか」は底本では「いささゝか」]
   容儀かたちきぬ

しやうするに
   律師りしあり
月中げつちゆう
   桂樹けいじゆかゝ
ぢやうえだ
   ぎん
銀光ぎんくわうあふれて
   いへらば
ぼくするところ
   さいはひなりと
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五月野


五月野さつきのひるしらみ
瑠璃囀るりてんとりなきて
くさなが南國みなみぐに
極熱ごくねつゆる

なぞ曲路まがりみち
深沼ふけぬまきし
人形ひとがた樹立こだち
いしひまあをみづ

みづ圓肩まろがた
睡蓮ひつじぐさはな
のぼりくるうまきみ
やはらかにけて

玉藻髮たまもがみさば
眞素膚ますはだへるなみ
木々きゞみち木々きゞ
さはくささはにふむ

うらにじかゝ
ひめみちこがね
大地おほづち人離野ひとがれの
變化へんげ白日時まひるどき

垂鈴たりすゞ百濟物くだらもの
たわいしうへ
みだれひめかみ
高圓たかまどかは

手枕たまくらかひなつき
白玉しらたまゆめ
處女子をとめご胸肉むなじゝ
ちからあるたりゆみ

五月野さつきの濡跡道ぬれとみち
深沼ふけぬま小黒水をぐろみづ
落星おちぼしのかくれ
つたへきくひと子等こら

空像うたかたかずらず
うかびくるきしくま
ぼる高水たかみづ
いまおこものおと

めざめたるひめおも
丹穗にのほなすにもえて
たわわがみおこ
光宮ひかりみやたまひと

微笑ほゝゑみてくだ
うみそこひめくに
うらふむみづはし
ものおととほざかる

目路めぢのはて岸木立きしこだち
ひるちず眞洞まほら
迷野まよひのみちおく
水姫みづひめたれらむ
[#改ページ]


花柑子


島國しまぐに花柑子はなかうじ
高圓たかまどにほ
大渦おほうづ荒潮あらじほ
はねをさめほゝゑめり

めるなごいま
まど常花とこはな
星村ほしむらにぬかあてゝ
さめ/″\となけよかし

いくをとめ月姫つきひめ
あらたなるさら
開命さくいのち貴寶あで
よろこびのにたびん

きよらなるとかはり
五月野さつきのをち
花環はなたまきにじめぐり
しろがねあめそゝぐ
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不開の間


花吹雪はなふぶき
まぎれに
さそはれて
いでたまふ
たちひめ

むしばめる
古梯ふるはし
まへ
やぐらだつ
不開あけず

かぐもの
きさし
採火女ひとりめく
かげうご
きえにけり

ゆめはな
處女をとめ
むねにさき
きざはしを
のぼるか

諸扉もろとびら
さと
かぜのごと
くらやみに
ぞあるや

いろあを
まみあけ
衣冠いくわんして
束帶そくたい
ひとてり

おもいま
いけにへ
百年もゝとせ
人柱ひとばしら
えもちず

としわか
つはもの
戀人こひびと
なが
うめられぬ

ひとみ
ほのほ
えて
にながら
かゞやける

なにしらん
禁制いましめ
ひめすそ
なほえぬ
とびらとづ

白壁しらかべ
むし
はる
うつろなす
れにけり
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安乘の稚兒


志摩しまはて安乘あのり小村こむら
早手風はやてかぜいはをどよもし
柳道やなぎみち木々きゞこじて
虚空みそらちぎれの細葉ほそば

水底みなぞこどろ逆上さかあ
かきにごすうみいたづき
そゝりなみ大鋸おほのこ
げとこそふねをまつらめ

とあるいひむせかへり
もあらずきて
稚兒ちごひとり小籠こかごすわ
ほゝゑみてうみむかへり

荒壁あらかべ小家こいへ一村ひとむら
反響こだまするこゝろこゝろ
稚兒ちごひとり恐怖おそれをしらず
ほゝゑみてうみむかへり

いみじくもたふと景色けしき
いまもなほむねにぞをど
わかくしてひときたる
志摩しまのはて安乘あのり小村こむら
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鬼の語


かほ蒼白あをじろ若者わかもの
ひそめる不思議ふしぎきかばやと
村人むらびと數多あまたきたれども
かれはさびしくわらふのみ

きそむら立出たちいでゝ
仙者せんじやたけのぼりしが
恐怖おそれいだくものゝごと
やま景色けしきかたらはず

つたくらくこのかは
きはまるところたきありて
れよりおくるものは
かならやまたゝりあり

蝦蟆がまいて立曇たちくも
篠竹原しのだけはらけば
えしてのひらあらはれて
うなじかほるゝとぞ

陽炎かげろふたかさ二萬尺まんじやく
黄山きやま赤山あかやま黒山くろやま
けんゑたるいたゞき
祕密ひみつぬし宿やどるなり

ぼに一日ひとひれはてゝ
さびしきあめりにけり
しくひかりし若者わかもの
まなこいろきぬ

劉邦りうはういまわかうして
谷路たにぢそこじやりつ
しかうして漢王かんわう
くらゐをつひにたり

この非凡ひぼんやま
たりてとここもれども
きんまもりて愚鈍者ぐどんじや
おにことばかたらはず
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戲れに


わがいへ大地おほづち
くろみかどみたまひ
地震なゐをどりいうなれば
くだきたれとちよくあれど
われはきえずひとなれば

わがいへ大空おほぞら
しろ女王めぎみみたまひ
ほしまつりえんなれば
のぼきたれとちよくあれど
われはきえずひとなれば

わがいへ古厨子ふるづし
とほ御祖みおやみたまひ
とこはなのたへなれば
けてきたれとのたまへど
われはきえずひとなれば

わがいへ厨内くりやうち
はたらつまをよびとめて
ゆふべまけをたづぬるに
このめるうをのありければ
われはきけりひとなれば
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初陣


ちゝその手綱たづなはな
やり夕日ゆふひ宿やどれり
かぞふればいまあきぐわつ
赤帝せきていちからおとろ
てんたかくもたり
初陣うひぢんこまむちうたば
ゆめはるかぶとほし
きらめきて東道みちしるべせむ

ちゝその手綱たづなはな
きつねもり彼方かなた
つきほそくかゝれるとき
ひとすぢの烽火のろしあがらば
勝軍かちいくさふえふきならせ
軍神いくさがみわがかたのうへ
銀燭ぎんしよくかゞやもと
さかづきあらひてちね

ちゝその手綱たづなはな
かみしろ[#「白+番」、U+76A4、96-9]くきみいませり
はなわかわがむねをど
はしちてつゝおしならべ
いはたかつるぎゑて
さかおとし千ぢやうがけ
大雷雨だいらいう奈落ならくそこ
かぜさむしあゝみな血汐ちしほ

ちゝその手綱たづなはな
きみしばしうたゝのまに
繪卷物ゑまきものぎやくひらきて
ゆふほし波間なみましづ
きりふかかはなりて
くさみだるゝほたる
いしうへ惡氣あくきのぼりて
亡跡なきあときみにしらせん

ちゝその手綱たづなはな
故郷ふるさとてら御庭みには
うるはしくならぶおくつき
くりのそよげる夜半よは
たゞ一人ひとりさまよひりて
母上はゝうへおそくなりぬと
わがぬかをみむねにあてゝ
ひたなきになきあかしなば
わがのぞみ滿らひなん
かみいだかれずとも

ちゝその手綱たづなはな
くもうすく秋風あきかぜきて
はぎすゝきたかなみうご
軍人いくさびと小松こまつのかげに
遠祖みおやらの功名いさををゆめむ
いまときかひひゞく
初陣うひぢんこまむちうちて
西にしかた廣野ひろのらん
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駿馬問答



使者
月毛つきげなり連錢れんぜんなり
たけずんとしさい
天上てんじやう二十八宿しゆく連錢れんぜん
須彌しゆみ三十二さう月毛つきげ
青龍せいりゆう前脚まへあし
白虎びやくこ後脚うしろあし
ちゆうむかむか
諸蹄もろひづめ薄墨色うすずみいろ
落花らくくわゆき飛雪ひせつはな
はえつきの眞白栲ましろたへ
たけぎててんりやうみゝのそよぎ
すゞけてむかさうのうるほひ
あがれるすぢいかれるしゝ
銀河ぎんがさかしまにしてひざおよたてがみ
白雲はくうんつかねてくさ
龍蹄りゆうていかたち※(「馬+華」、第3水準1-94-18)※(「馬+留」、第3水準1-94-16)くわりゆうさう
神馬しんめ天馬てんば
言語道斷ごんごだうだん希代きだいなり
城主じやうしゆ御親書ごしんしよ
獻上けんじやう違背ゐはいさふらふまじ
駿馬の主
曲事くせごとあふさふらふ
城主じやうしゆ執心しゆうしんもの相應ふさはず
駿馬しゆんめきたるは
聖代せうだいだい一の嘉瑞かずゐなり
虞舜ぐしゆん鳳凰ほうわうくだ
孔子こうしとき麒麟きりんづるにおな
理世安民りせいあんみん治略ちりやくいたらず
富國殖産ふこくしよくさん要術えうじゆつなくして
名馬めいば所望しよまうおよさふらはず
使者
御馬おんうま何々なに/\
水干鞍すゐかんくら金覆輪きんぷくりん
うめさくら螺鈿かながひ
御庭おにははる景色けしきなり
※(「革+薦」、第3水準1-93-82)あをり縫物ぬひもの
飛鳥ひてう孔雀くじやくはう縁飾へりかざり
雲龍うんりゆう大履脊おほなめ
きぬ鞍※くらおほひ[#「巾+巴」、U+5E0A、103-2]
さて蘇芳染すはうぞめ手綱たづなとは
人車記じんしやき故實こじつ
鐵地かなぢあぶみ
えふふね形容かたどつたり
おがもひ[#「革+面」、U+292E0、103-7][#ルビの「おがもひ」はママ]むながひしりがひ
大總おほぶさ小總こぶさぜて
しきいと縷糸よりいと
さゞなみうつたる連着懸れんぢやくがけ
差繩さしなは行繩やりなは引繩ひきなは
みどりゆる唐錦からにしき
菱形轡ひしがたぐつわひづめかね
馬裝束うまさうぞく數々かず/\
つくしてされうづるにても
御錠ごじやう違背ゐはいさふらふか
駿馬の主
中々なか/\ことさふらふ
駿馬しゆんめ威徳ゐとく金銀こんごんさふらふ
使者
さらば駿馬しゆんめ威徳ゐとく
御物語おんものがたりさふら
駿馬の主
駿馬しゆんめ威徳ゐとくといつぱ
つね口強くちごは足駿あしばや
笠懸かさがけ流鏑馬やぶさめ犬追物いぬおふもの
遊戲いうぎ狂言きやうげん凡畜ぼんちくにあらず
天竺てんぢく震旦しんたん古例これいあり
うま觀音くわんおん部衆ぶしゆう
雜阿含經ざうあごんきやうにも四しゆうまかれ
波羅密はらみつ功徳くどくにて
畜類ちくるゐながらも菩薩ぼさつぎやう
悉陀太子しつたたいし金色こんじき龍蹄りゆうてい
ぢやう鐵門てつもん
ぐわい獨尊どくそんあふがれたま
帝堯ていげう白馬はくば
穆王ぼくわうの八駿しゆん
明天子めいてんしとくいたれり
かん光武くわうぶは一じつ
うま
寧王ねいわう朝夕てうせきうまゑがい
桃花馬とうくわばいつせり
異國いこくはなしおほかれども
類稀たぐひまれなる我宿わがやど
一の駿馬しゆんめ形相ぎやうさう
いなゝこゑ落日らくじつ
中天ちゆうてんめぐらし
ひづめおと星辰せいしん
よるくだくるひゞきあり
をどれば長髮ちやうはつかぜなつ
萬丈ばんぢやうたに
すれば鐵脚てつきやくはつして
みちつかれず
きんよろひくわんくら
堅轡かたぐつわ強鞭つよむち
よろひかろ/″\
くらゆら/\
くつわくだかれ
むちはうちをれ
くまでしゝかたうへ
身輕みがる曲馬きよくば品々しな/″\わざ
碁盤立ごばんだち弓杖ゆんづゑ
文字もんじ杭渡くひわた
をしへずしておのづかはふたり
扨又さてまた絶險難所ぜつけんなんじよ渡海登山とかいとざん
くがけば平地へいちあゆむがごと
うみれば扁舟へんしうさをさすにたり
木曾きそ御嶽おんたけこまたけ
こし白山しらやま立山たてやま
上宮太子じやうぐうたいし天馬てんばして
梵天宮ぼんてんきういたたまひし富士ふじみね
たか峯々みね/\嶽々たけ/″\
阿波あは鳴門なると穩戸おんど瀬戸せと
天龍てんりゆう刀根とね湖水こすゐわた
きこゆる急流きふりう荒波あらなみ
ひづめにかけてかつし/\
かんおぢかけはや
いつかなかけえつべし
そのほか戰場せんぢやうみぎり
かぜおと伏勢ふせぜいさと
くも雨雪うせつをわきまふ
先陣せんぢん先駈さきがけ拔駈ぬけがけ間牒しのび
また合戰最中かつせんもなかとき
やりほこたねしま
めんをふりたいをかはして
しゆをかばふちゆうゆう
家子郎等いへのこらうどうことならず
かゝる名馬めいばおくまき
吾妻あづままき大山だいせん木曾きそ
甲斐かひ黒駒くろごま
そのほか諸國しよこく牧々まき/\
萬頭まんとううまさふらふとも
またづべくもさふらはず
名馬めいばかゞみ駿馬しゆんめ威徳ゐとく
あゝら有難ありがた我身わがみさふらふ
使者
御物語おんものがたり奇特きとくさふらふ
とう/\しろ立歸たちかへ
再度さいど御親書ごしんしよ
まうはゞやとぞんさふらふ
駿馬の主
かしまじき御使者おんししやさふらふ
およびもなき御所望ごしよまうさふらへば
いかほど手立てだてつくされ
いくばくの御書おんふみあそばされさふらふとも
御料おんれうにはされまじ
法螺ほらかね陣太鼓ぢんだいこ
はたさしもの笠符かさじるし
軍兵ぐんぴやう數多あまたもよほされて
いへのめぐり十重二十重とへはたへ
ときこゑあげてかこみさふらふとも
召料めしれうにはいださじ
器量きりやうある大將軍たいしやうぐんにあひまつらば
其時そのときこそこまはえあれ駒主こまぬし
道々みち/\くや四季繩しきなは
はる御空みそら雲雀毛ひばりげ
なつかきほの卯花うのはな鴇毛つきげ
あき落葉おちば栗毛くりげ
ふゆ蘆毛あしげつも雪毛ゆきげ
數多かずおほ御馬おんうまのうちにも
言上ごんじやういたしてされさふらはん
拜謁はいえつまうして駿馬しゆんめたてまつらん

このへん飾馬考かざりうまかんがへ』『※(「馬+華」、第3水準1-94-18)※(「馬+留」、第3水準1-94-16)全書くわりうぜんしよ』『武器考證ぶきかうしよう』『馬術全書ばじゆつぜんしよ』『鞍鐙之辯くらあぶみのべん』『春日神馬繪圖及解かすがしんばゑづおよびげ』『太平記たいへいきおよ巣林子さうりんし諸作しよさくところおほあへ出所しゆつしよあきらかにす





底本:「詩集 孔雀船」岩波文庫、岩波書店
   1938(昭和13)年4月5日発行
初出:「孔雀船」左久良書房
   1906(明治39)年5月
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。
[#「邊」の「宀」に代えて「冖」、「儿」に代えて「八」、「自」の2画目と3画目を下に伸ばす、30-10]は「デザイン差」と見て「邊」で入力しました。
入力:蒋龍
校正:荒木恵一
2014年3月23日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。




●表記について

「山+咢」、U+5D3F    27-7
「白+番」、U+76A4    96-9
「巾+巴」、U+5E0A    103-2
「革+面」、U+292E0    103-7
「邊」の「宀」に代えて「冖」、「儿」に代えて「八」、「自」の2画目と3画目を下に伸ばす    30-10


●図書カード