手紙

安政三年九月二十九日 相良屋源之助あて

坂本龍馬




二白、御家内へも宜敷御伝声可下候、以上。
一筆啓上仕候。冷気次第に相増し候へ共、(いよいよ)御安全可成目出度奉存候。随而(したがつて)野生儀道中筋無異議江戸に着仕り、築地屋敷に罷在候。乍憚御休意被下度候。陳者出足の節は御懇念被下、又御見事成る御送物被下千万忝き次第に奉存候。早速御礼申上筈の処、失礼に打過ぎ候段、御仁免可下候。定而(さだめて)御国下御静謐恐悦至極と奉存候。先者右御礼迄、早々如此に御座候。
恐惶謹言。
九月二十九日
坂本龍馬
相良屋源之助様
御左右





底本:「龍馬の手紙」宮地佐一郎、講談社学術文庫、講談社
   2003(平成15)年12月10日第1刷発行
   2008(平成20)年9月19日第7刷発行
※底本本文の末尾に、(「関係文書第一」、千頭清臣「坂本龍馬」)とあります。
※丸括弧付きの語句は、底本編集時に付け加えられたものです。
入力:Yanajin33
校正:Hanren
2010年7月24日作成
2011年6月17日修正
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