此書や加七来りて是非手紙かきて、陸奥先生に送りくれよと、しきりにそふだんゆへ、目前ニしたゝむ、かしこ。
御案内の沢やの加七と申候ものゝ咄、(是ハ御手下のひしや某が聞得所なり。)度

然る右よふの大金をスワというて出すものにてなし。よく/\心中ニもわかり候よふ、陸奥に咄し致しくれ候よふと申聞候所、加七曰ク、仙台の役人及河内の郷士ら相会し候得バ、加七が自から下坂と云わけニハまいらずゆへ、陸奥先生

小弟ガ論ニ竊 ニ大兄に言、目今御かゝりの丹波丹後の一件云々大坂四ツ橋大仏や門前御談の事万不レ可レ被レ忘 、十分右の所に御心お御用第一なり。
右のよふ御用心、先は早
十月廿二日
龍
元二郎先生
御本