手紙

慶応三年十一月七日 陸奥宗光あて

坂本龍馬




追白、御手もとの品いかゞ相成候か、御見きりなくてハ又ふの(不能)と相成。
世界の(はな)しも相成可申か、此儀も白峯より与三郎より少※(二の字点、1-2-22)うけたまハり申候。此頃おもしろき御咄しもおかしき御咄しも実に/\山※(二の字点、1-2-22)ニて候。かしこ。
拝啓。
然ニ先生此頃御上京のよし、諸事御尽力御察申上候。
今朝与三郎参、咄聞候所、先生の御周旋ニて長崎へ参り候よし、同人の事は元ト(太)郎が船の引もつれより、我々共※(二の字点、1-2-22)御案内の通のセ話相かけ候人ニて、ことに海援隊外の者ニも在之候。
先生御一人御引うけなれバよろしく候得ども、隊中人を見付ケ且、長崎ニ於、此度取入候屋鋪(やしき)ニて養なふなど少※(二の字点、1-2-22)御用心無之候得バ、(ちかく)立行カザルの御セ話がかゝり候と存候。小野(淳輔)生らが一条にかゝる事ハ小弟ラ多少の儀論(ママ)之候。先承り候ニ付、早※(二の字点、1-2-22)一筆さしあげ候。
十一月七日
謹言
後ト丙丁中
 四条通室町上ル西側沢屋御旅宿
 陸奥源二郎様
才谷楳太郎
御直披
内用ナリ御独見





底本:「龍馬の手紙」宮地佐一郎、講談社学術文庫、講談社
   2003(平成15)年12月10日第1刷発行
   2008(平成20)年9月19日第7刷発行
※底本手紙写真のキャプションに、(国立国会図書館蔵)とあります。
※丸括弧付きの語句は、底本編集時に付け加えられたものです。
※直筆の手紙の折り返しに合わせた改行は、省いて入力しました。
入力:Yanajin33
校正:Hanren
2010年10月9日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。




●表記について


●図書カード