古巣

小川未明




つばめがかえるとき
真紅まっかうつくしい夕焼ゆうやけに、
少年しょうねんはらっぱをらして
あそんでいた。
つばめがきたとき
いえ周囲まわりいくたびもびまわった。
すると、少年しょうねんいていたらっぱは
まどしたてられて、
あかいさびがところどころにていて、どろまみれていた。





底本:「定本小川未明童話全集 3」講談社
   1977(昭和52)年1月10日第1刷
   1981(昭和56)年1月6日第7刷
初出:「新潮」
   1912(明治45)年5月
※表題は底本では、「古巣ふるす」となっています。
入力:ぷろぼの青空工作員チーム入力班
校正:江村秀之
2013年12月5日作成
青空文庫作成ファイル:
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