鈴が鳴る
小川未明
あれあれ
鳴
(
な
)
る、
鈴
(
すず
)
が
鳴
(
な
)
る。
水
(
みず
)
で
鳴
(
な
)
る、
空
(
そら
)
で
鳴
(
な
)
る、
雲
(
くも
)
で
鳴
(
な
)
る。
あれあれ
鳴
(
な
)
る、
鈴
(
すず
)
が
鳴
(
な
)
る。
路
(
みち
)
で
鳴
(
な
)
る、
丘
(
おか
)
で
鳴
(
な
)
る、
森
(
もり
)
で
鳴
(
な
)
る。
月夜
(
つきよ
)
の
晩
(
ばん
)
に、
白
(
しろ
)
い
馬
(
うま
)
が、
銀
(
しろがね
)
の
鈴
(
すず
)
を
鳴
(
な
)
らしてきた。
どこから、どこまで
鳴
(
な
)
らしてゆく。
西
(
にし
)
から、
東
(
ひがし
)
へ、
鳴
(
な
)
らしてゆく。
いつから、いつまで
鳴
(
な
)
らしてゆく。
坊
(
ぼう
)
やがおねんねする
間
(
あいだ
)
。
りんりん、りんりん、
鳴
(
な
)
らしてゆく。
底本:「定本小川未明童話全集 3」講談社
1977(昭和52)年1月10日第1刷
1981(昭和56)年1月6日第7刷
初出:「おとぎの世界」
1919(大正8)年8月
※表題は底本では、「
鈴
(
すず
)
が
鳴
(
な
)
る」となっています。
入力:ぷろぼの青空工作員チーム入力班
校正:江村秀之
2014年1月18日作成
青空文庫作成ファイル:
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で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
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