詩や、空想や、幻想を、冷笑する人々は、自分等の精神が、物質的文明に中毒したことに気付かない人達です。人間は、一度は
芸術は、ほんとうに現実に立脚するものです。童話は、芸術中の芸術であります。虚無の自然と生死する人生とを関連する不思議な
童話は、全く、純真創造の世界であります。本能も、理性も、この世界にあっては、最も自由に、完美に発達をなし遂げることが出来るのであります。何者の権力を以てしても、この自由を束縛することができない。
私は、童話の世界を考えた時に、汚濁の世界を忘れます。童話の創作熱に魂の燃えた時に、はじめて、私の眼は、無窮に、澄んで青い空の色を
私を、現実の苦しみから救うものは、逃避でもなく、妥協でもなく、また終わりなき戦いでもなく、全く、創造の熱愛があるからです。私は、創造のために、いかなる戦いも辞せない。
私達が、この現実に於て、あらゆる方面や、形に於て戦うということは、
美の世界、正義の世界、親愛の世界、人類共楽の世界、それを眼に描かず、
小供の勇気を見よ。冒険を信ぜよ。子供のすべてはロマンチシストであった。なんで、人間は、大きくなって、この心を有しないのか。そして、旧習慣、
新人生建設のために、私達は、新芸術の使命と権威を考えなくてはならない。