腰を下して
膝かぶに
のっけた
俺らの運勢をみろ
ごつごつの節くれ奴
大根 ごっそりひきぬいて
町さ うんとこ運んでも
伜の
雑記帳と読本は軽いもんだ
なあ女房
いくら人参が好物だって
鎮守の
役場の赤紙も溜ってるだ
ごつごつの節くれ奴!
一生
運勢だとあきらめて
地主の倉に
種を蒔いているだか
一
俺らの
夜の星
朝の星 鎌を掴んで
ごすごす
冴えた刃先に真赤な
ほう 朝焼だ!
町の工場の弟が
朝陽をいっぱい浴びながら
帽子をふりふりやってくる
待ってたぞ
便りは何だ
鎌をぎっしり握るんだ
ごつごつの節くれ奴!
(『戦旗』一九二八年十一月号に発表)