眼を
愁を分けて、秋の日
花びら
地に落つる音
秋なるに
はた山なるに
いと淋しや
ああ疑ふ
死せざらんや、いかで
さて風ふかば、いかで
聞かざらんや
豆の葉の鳴る日を
木枯あらばいかに
淋しとて
泣くこころ、鳥にかあらまし
人なればとて、いはんや
かばかりいたむ心ぞ、君
(昨日か)
思ふに涙はかくこそ流れん
わりなや
いといと
なにかは
我は山住み
知んぬ平和の愛着
目を病むも
老いたるも
人たるも鳥たるも
(さはいへ)
さびしからまし
日は照るに
とこしなへ
籠を抱いて
夜すがら
鳥と愁へぬ。
あかつき
菊の露