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図書カード:No.368

作品名:裸の王様
作品名読み:はだかのおおさま
原題:Golyi Korol
著者名: シュヴァルツ エフゲーニイ 

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作品データ

分類:NDC 982
作品について:アンデルセンの三つの童話、「皇帝の新しい着物」「エンドウ豆の上に寝たお姫さま」「豚飼い王子」を一つの話に組み立てたもの。
「皇帝の新しい着物」は、「裸の王様」としてよく知られた話。「エンドウ豆の上に寝たお姫さま」は、本当に王女として生まれた女性は、その高貴さのため、どんなに沢山の敷布団を敷いても、その一番下にエンドウ豆があると、背中に何かごろごろしたものを感じて眠れないものだ。ある王子が、本物の王女と結婚したいと、王女と言われているいろいろな女性に試してみるが、朝には必ず「よく眠れましたわ」と言われ、がっかりする。ある時、雨宿りしている娘を窓から見つけ、この女性に試してみる。朝、その女の子が言う。「あんなに疲れていたのに、それにあんなにふかふかしたお布団でしたのに、何故か背中がごろごろして眠れませんでしたわ」と。王子はその女性と結婚するという話。
「豚飼い王子」は、綺麗な王女に恋した王子が、贈り物を送る。5年に一回しか咲かないという綺麗な薔薇。王女は受け取り、綺麗だ、いい匂いだと、これを愛でるが、それが作り物でなく本物であると知ると、「何? 本物なの?」と言ってポイと捨てる。王子は何の反応もないので、今度はいい声のナイチンゲールを送る。これも王女に最初は気に入られるが、本物と知ってポイと捨てる。今度は王子自ら、豚飼いに変装して王女のお城の前で仕掛け物の屋台を開く。王女
は仕掛け物の一つ、「なべ」に興味を持つ。音楽も奏でるし、各家庭の料理を当てるという「なべ」。それが欲しいと、値を訊く。豚飼いは「キス10回」と。王女、仕方なく腰元達に周りを囲わせ、外から見えないようにして、豚飼いにキスを許す。通りかかった父王がこれを見て、王女を追放する。王子も、仕掛け物のためなら、卑しい豚飼いにまでキスを許す王女に呆れて、これも去って行く。
さて、シュヴァルツの「裸の王様」の概略は下記。
1幕1場 豚飼いのヘンリーが、相棒のクリスチアンに話かけている。「王女様ってなんて綺麗なんだ。僕はすっかり惚れちゃったんだよ。」クリスチアン、聞き飽きている。そこに王女が腰元達と登場。ヘンリー喜び、約束していた「なべ」を見せる。「なべ」は腰元達の家庭で作られている料理を当て、また音楽を演奏し、みんなで踊る。王女、楽しくてもう一度音楽をと。クリスチアン、それに答えて、それにはキスが必要と。ヘンリーが、10回という。王女「いや」と。ヘンリー、5回、3回と、数を下げて行く。王女「私は王女ですよ。80回です」と。キスをしているうちに、父王が現れて二人を引き離し、王女は隣の国の王に嫁ぐことに決めてある、と言う。
1幕2場 隣の国の愛情問題担当大臣が幕の下がっている前に登場して、王様からの言い付けを述べる。許婚の王女の母親の身持ちがもし悪かったとしたら、本当の子供ではない。すると高貴な生まれではない。それでは大変だ。これを調べろと。大臣、布団の下にエンドウ豆を敷く計略を語る。
1幕3場 王女を出迎える隣の国の途中の村。愛情問題担当大臣、首尾よく布団の下にエンドウ豆を置く。王女は二人のお付を従えて登場。侍従と家庭教師である。侍従は狩気違い。事ある毎に「ウリュリュー」と奇声を発する。家庭教師は行儀にやかましい外国の女性。隣の国の人間でも誰でも、誰彼構わず狂暴に行儀を注意する。愛情問題担当大臣、この二人のお付に酒を飲ませ、秘密を嗅ぎ出そうとする。
1幕4場 その村の、ある家の王女の寝床。背中に何かがあたるような気分で寝付かれない。髭の憲兵二人登場。実はヘンリーとクリスチアンが変装している。王女、大喜び。三人で逃げることに決める。
1幕5場 その階段を見張っている王女のお付の二人。それに愛情問題担当大臣。三人はしたたかに酔っている。王女と変装憲兵二人、逃げるチャンス。しかし村長の生真面目さのせいで王女、逃げることに失敗。ヘンリーとクリスチアン、王女を必ず助け出すと歌いながら逃げる。
2幕1場 隣の国の王の寝室兼執務室。布団を高く敷いてあるので、落下傘様のものを使って下りて来る。機織りに変装したヘンリーとクリスチアン登場。王への目通りを要請する。王の家来達、取次を行う。その間王、学者に、許婚の国の、紋章及び系図の調査結果を聞く。次に詩人に、「歓迎の詩」は出来たかと聞く。詩人、詩は出来ていないが、歓迎の台詞と王女の答の台詞、は出来ていると。その最後の部分、王の婚約者とのキスで終っていることを知り、王満足する。次に王、二人の機織りと会う。機織り、自分達の作る布は、その職に相応しい人間、かつ馬鹿でない人間のみにしか見ることが出来ないと告げる。王、興味を示し、仕事をさせることに決める。
2幕2場 隣の国の王宮の中庭。王女、侍従と家庭教師を従えて登場。巧妙な手段で、ヘンリーの書いた手紙が王女の手に渡っていて、王女それを読む。「王を罵ること。王の衣装が貧弱だと言うこと」と書いてある。王女達、退場。
2幕3場 総理大臣が兵士達及び群衆に、歓迎の式典に備え、調練している。そこに王登場。そしてその許婚である王女登場。王、王女の美しさに打たれる。王、詩人から聞いた台詞を述べるが、王女、ヘンリーの命令通り、王を罵る。王、いよいよ王女に恋し、新しい衣装を作ることを機織りに命ずる。
2幕4場 機織りの部屋の扉の前。王、総理大臣に中に入って見て来るよう命ずる。総理大臣、危険を感じ愛情問題担当大臣に、愛情問題担当大臣も危険を感じ、詩人に見て来るよう命じる。
2幕5場 機織りの部屋。ヘンリーとクリスチアンが空の機織り機の前で仕事をしている振り。詩人入って来る。「色といい、模様といい、何とも言えず・・・」と、詩人を騙す。詩人、詳細を聞く必要あり。描写の台詞を覚えて去る。愛情問題担当大臣、描写を聞いているので大丈夫、と部屋に入るが、たちまち何を踏んでいる、かにを踏んでいる、と、床の上で踊らされる。次に総理大臣登場。クリスチアン、目の前で水を飲んで見せる。「仕事中に酒を飲むとは何事か」と怒ると、布があるから見える筈はないのだ、と逆にやっつけられる。王、お付の者達を連れて登場。存在しない着物を着せられ、行列に出ることになる。お付の者達全員、素晴らしいと褒める。
2幕6場 群衆が道路で王の行列を待っている。その喧騒、滑稽な会話。王女とその父王が登場。王女が父王に、ヘンリーとの結婚を許して欲しいと言う。父王は、もう遅いと。そこに裸の王を先頭に、行列がやって来る。父王、呆れて王に言う。「気でも狂ったか」と。子供達、群衆、も気づき大騒動。ヘンリーとクリスチアン登場。王女を助け、ヘンリーと目出度し、目出度しとなる。(能美武功 平成11年6月16日 記)
文字遣い種別:新字新仮名
備考:

作家データ

分類:著者
作家名:シュヴァルツ エフゲーニイ
作家名読み:シュヴァルツ エフゲーニイ
ローマ字表記:Shvarts, Evgeniy
生年:1896
没年:1958

分類:翻訳者
作家名:能美 武功
作家名読み:のうみ たけのり
ローマ字表記:Nomi, Takenori

底本データ

工作員データ

入力:能美武功

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