1
あるちいさな女の
ところが その女の児は、それはもうほんとに、ちいさな女の児で、その人形はまた、それはそれはすばらしい大きな人形だったのです。
それゆえ、お取次に出た女中には、人形だけしか
「まあお嬢さま! 大きなお人形さんがお嬢さまに
2
「
「はあ」と愛想よく玉ちゃんは答えました。
「後生ですから、そこから
「あたし、いま、人形におっぱいあげていますの……」と言いました。
ねんねしなされまだ日はたかい。
暮れりゃお寺の鐘がなある。
暮れりゃお寺の鐘がなある。
3
お
ちいさなお医者様は、大きな時計を出して、人形の脈をとりながら「ははあ」と小首をかたげました。
お冬さんは、心もとなさに、
「先生、いかがでございましょう」
とたずねました。先生は手を
「なあに、ちょっとした風邪ですから御心配には及びません。お子様方は夜おやすみの時、おなかを出さないように気をつけて下さい」
と言いました。