日記

一九四〇年(昭和十五年)

宮本百合子




十月一日

『新女苑』20枚「若き精神の成長を描く作品」
『明日への精神』発売。
『月刊文章』(29日)「文学における大陸性について」11

十月二日

 実業の日本、三千だったが発送でもう千刷るという話が出ている由。四十三部増加して送って貰う。
 日本評論 表のはなし。

十月三日

 ○「猫車」を見つけ出して手を入れる。
 ○「短い翼」と「藪の鶯」のうつし賃51枚 6.00
〔欄外に〕第六十七信

十月四日

「猫車」わたす。二十日までに出来る由。
 ○実日、310.00 もって来る。(550 のうち 200 すみ)あとの中から四三部代さしひいた。
 林町へ 100、寿 50、郵 100、家賃 33。
 ○二十日頃増版出来る由
〔欄外に〕多賀ちゃん面会

十月五日

 十日、『日本評論』「朝の風」四十一枚
〔欄外に〕六十八信

十月十二日

 河出の本の校正出る。
〔欄外に〕六十九信

十月十三日

〔欄外に〕七十信

十月十八日

〔欄外に〕七十一信

十月十九日

『学芸新聞』 三枚
『改造』時局 三枚
『法政』 十四枚

十月二十日

 同盟特信 二枚
『婦公』  四枚

十月二十三日

『明日への精神』再版出来。四十三部買う
 原稿料 105、日本文学のときの前金「百」をひいているというのが不思議。
 高山書店 原稿わたし「現代の心」
〔欄外に〕第七十二信

十月二十五日

『明日への精神』十部かって来ようとしたら品切れ、五日に増刷の由。
〔欄外に〕第七十三信

十月三十日

『新女苑』「世代の価値」文化史 25
『婦人画報』「来年」22

十一月二日

 日本評論再版印税 三十
 実業の日本 再版印税千部百七十円の中七十四円十六銭差引 九拾五円八拾四銭よこす

十一月三日

 第三版千部捺印

十一月五日

『満洲日日』「二人づれ」 四枚
〔欄外に〕第七十四信
 十月の表  甲七、乙一八、丙四、丁一

十一月六日

『スタイル』のハガキ返事
 晨ちゃんの原稿批評。
 河出の二千五百捺印(部)
〔欄外に〕第七十五信

十一月八日

〔欄外に〕第七十六信

十一月十日

「板ばさみ」『改造』 十枚
〔欄外に〕七十七信

十一月十一日

 レ帝よみはじめる

十一月十二日

「東と西」『スタイル』三
「漁村の婦人の生活」九 『漁村』

十一月十三日

「現代の心」の印税さきばらい 100.
〔欄外に〕七十(ママ)

十一月十四日

 同盟特信「女を殴る」

十一月二十二日

〔欄外に〕第七十九信
21日間 甲3、乙17、丁1
本 一一五頁

十一月二十三日

「ラジオ時評」『東日』 五枚
〔欄外に〕八十信

十一月二十六日

『都』時評 一回 4

一、『明日への精神』第四 一〇〇〇増
一、高山校正 第一回
『都』時評 20枚終
〔欄外に〕第八十一信

十二月三日

 三、四の印税 340.00 うち本代 13.66 326.34
『文芸』の小説21枚 「紙の小旗」
 岩波「主婦の政治的自覚」22枚?

十二月五日

『女学生』「新春からの日記」五枚
『都』「国民文化生活 図書館」二枚半

十二月八日

 ○『婦人画報』 七枚
 ○『都』「健全性」のむずかしさ 二枚 演劇
 ○『満洲日日』女性と社会性 二枚半

十二月九日

『農業新聞』「村の三代」五枚
〔欄外に〕第八十二信
 十一月二〇―三〇  甲一、乙一、丙八
 十二月一―八  甲一、乙一 丙五、丁一。

十二月十二日

『婦画』十二月号 46.00 『知性』14.00 16.50――『文芸情報』『オール女性』15.00 『女子文苑』15.00
 十三日――河出より 200.00 とって来る。
〔欄外に〕第八十三信

十二月十四日

 mへ 150.00、三越で半コートこしらえる。
〔欄外に〕八十四信

十二月十七日

『文芸』80.00 『婦人朝』20.00 『日日』20.00
 同盟特信 民の心※(丸2、1-13-2)
『早稲田大学新聞』 ※(丸7、1-13-7)

十二月二十日

「女性の現実」8(『オール女性』二月)

十二月二十五日

〔欄外に〕八十六

十二月二十六日

〔欄外に〕八十七信





底本:「宮本百合子全集 第二十五巻」新日本出版社
   1981(昭和56)年7月30日初版
   1986(昭和61)年3月20日第4刷
入力:柴田卓治
校正:富田晶子
2018年12月24日作成
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