手紙

嘉永六年九月二十三日 父坂本八平直足あて

坂本龍馬




一筆啓上仕候。秋気次第に相増候処、愈々御機嫌(よく)御座、目出度千万存奉候。次に私儀無異に相暮申候。御休心可成下候。兄御許にアメリカ沙汰申上候に付、御覧可成候。先は急用御座候に付、早書乱書御推覧可成候。異国船御手宛の儀は先免ぜられ候が、来春は又人数に加はり可申奉存候。
恐惶謹言。
九月廿三日
尊父様御貴下
御状被下、難有次第に奉存候。金子御送り被仰付、何よりの品に御座候。異国船処々に来り候由に候へば、(いくさ)も近き内と奉存候。其節は異国の(ママ)首を打取り、帰国可仕候。かしく。





底本:「龍馬の手紙」宮地佐一郎、講談社学術文庫、講談社
   2003(平成15)年12月10日第1刷発行
   2008(平成20)年9月19日第7刷発行
※底本本文の末尾に、(「坂本龍馬関係文書第一」、野島家文書)とあります。
※丸括弧付きの語句は、底本編集時に付け加えられたものです。
入力:Yanajin33
校正:Hanren
2010年7月24日作成
2011年6月17日修正
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