手紙

慶応二年三月八日 高松太郎あて

坂本龍馬




細左馬事、兼而海軍の志在、曽而馬関を龍と同伴ニて上京致候。在故て薩に下らんとす。
今幸ニ太郎兄が帰長の事を聞ク。今なれバ彼ユニヲンに左馬をのせ候ても宜かるべく、左馬事ハ海軍の事ニハ今ハ不功(ママ)者と雖ども、度※(二の字点、1-2-22)戦争致候ものなれバ、随分後にハ頼も敷ものとも相成候べしと楽居候。
もしユニヲンのつがふ(都合)が宜しいとなれバ、西吉(西郷吉之助)小大夫(小松帯刀)の方ハ拙者より申談候てつがふ宜く候。
(よく)御考可下候。
早々頓首※(二の字点、1-2-22)
八日
此書錦戸ニ頼ミ遣ス。
但シ太郎ハ又変名在之。

多賀松太郎様





底本:「龍馬の手紙」宮地佐一郎、講談社学術文庫、講談社
   2003(平成15)年12月10日第1刷発行
   2008(平成20)年9月19日第7刷発行
※底本手紙の写真のキャプションに、(高知 竹村家蔵)とあります。
※丸括弧付きの語句は、底本編集時に付け加えられたものです。
※直筆の手紙の折り返しに合わせた改行は、省いて入力しました。
入力:Yanajin33
校正:Hanren
2010年7月28日作成
2011年6月17日修正
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