手紙

慶応二年十月五日 吉井友実あて

坂本龍馬




一筆啓上仕候。益御安泰愛出度(めでたく)存候。
(さて)先年来、御尽力被下候段、(かたじけなく)存候。則吾ガ為メニ尽候所、則、国家ニ尽ス所タルヤ明カナリ。仍而何歟(よつてなにか)之、吾所蔵致候、旧赤穂ノ家臣神崎則休遺刀無銘一口貴兄進上致候。
御受領被下度候。右刀ハ曽而(かつて)後藤も来国光と鑒識(かんしき)致候。御高鑒被下度候。先ハ右用向迄如此候。早々。
十月五日
直柔
吉井幸輔様





底本:「龍馬の手紙」宮地佐一郎、講談社学術文庫、講談社
   2003(平成15)年12月10日第1刷発行
   2008(平成20)年9月19日第7刷発行
※底本手紙の写真のキャプションに、(坂本龍馬記念写真帖)とあります。
※丸括弧付きの語句は、底本編集時に付け加えられたものです。
※直筆の手紙の折り返しに合わせた改行は、省いて入力しました。
入力:Yanajin33
校正:Hanren
2010年7月28日作成
2011年6月17日修正
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