手紙

慶応三年十月二十四日 岡本健三郎あて

坂本龍馬




唯今は御使被下難有、然ニ越前行は今日出達仕候よふ、後藤参政より昨日申被聞候。是も、ものゝついでに鳥渡聞候事故、今日四ツ時に彼是取遣候為、私より後藤の方参り候はずニ致候。
大兄御同行のことはまだ不申候得ども、今日は申出シ必御同行と存居申候。
夫であなた及私し家来一人〆三人ニて今日出足七ツ時頃よりも出かけ致度、其御心積ニて、先キ触大津の方迄御出し可遣候よふ御頼申入候。
竊ニ聞ク、越前侯は廿八日国を発シ上京と。夫で我等はよふ出足を急所也。
先は早※(二の字点、1-2-22)、頓首。
 廿四日

健三郎先生
梅太郎
左右





底本:「龍馬の手紙」宮地佐一郎、講談社学術文庫、講談社
   2003(平成15)年12月10日第1刷発行
   2008(平成20)年9月19日第7刷発行
※底本手紙写真のキャプションに、(京都 足立家蔵)とあります。
※直筆の手紙の折り返しに合わせた改行は、省いて入力しました。
入力:Yanajin33
校正:Hanren
2010年10月9日作成
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