手紙

慶応三年十一月十三日(推定)陸奥宗光あて

坂本龍馬




一、さしあげんと申た脇ざしハ、まだ大坂の使がかへり不申故、わかり不申。
一、御もたせの短刀は(さしあげんと申た)私のよりは、よ程よろしく候。(但し中心(なかご)の銘及形。)
 是ハまさしくたしかなるものなり。然るに大坂より刀とぎかへり候時ハ、見せ申候。
一、小弟の長脇ざし御らん被成度とのこと、ごらんニ入レ候。
十三日
謹言。
陸奥老台
自然堂 拝





底本:「龍馬の手紙」宮地佐一郎、講談社学術文庫、講談社
   2003(平成15)年12月10日第1刷発行
   2008(平成20)年9月19日第7刷発行
※底本手紙写真のキャプションに、(高知県立坂本龍馬記念館蔵)とあります。
※丸括弧付きの語句は、底本編集時に付け加えられたものです。
※直筆の手紙の折り返しに合わせた改行は、省いて入力しました。
入力:Yanajin33
校正:Hanren
2010年10月9日作成
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