むかし昔、あるところにわがままな子どもがあって、おかあさんのしておくれとおっしゃることを、なんにもしませんでした。それだものですから、神さまがこの子どもに
ところが、子どもがいよいよお
これをきくと、おかあさんは自分でお墓へ行って、
註 両親を打つと、死後に墓の中から手がはえるという俗信があります。第十六世紀の代表的職人詩人ハンス・ザックスの寓話詩「子どものしつけのおそろしい話」には、バイエルンのインゴルシタットのある家庭で、男の子を甘やかして育てたためにその子がわがままになって、母親をなぐったことがあり、その子が死ぬとお墓から手が出て、どうしてもひっこまない、そこで、大学の先生がたや坊さんたちの助言で、母親が出かけて行って、その手を笞で十八時間もなぐりつづけ、手が血だらけになったらやっとひっこんだ、という実話がうたわれています。