むかし むかし、おおかみが、きつねを、じぶんのうちにおいていました。
きつねは、
ある日のこと、きつねとおおかみは、ふたりで
そのとき、おおかみがいいだしました。
「おい、あかぎつね。なにか たべるものをもってこい。さもないと、おまえを ガリガリ たべちまうぞ。」
すると、きつねがこたえました。
「わたしは、子ひつじが二、三びきいる
おおかみは
きつねは、子ひつじを こっそり ぬすみだして、おおかみのところへもってきました。そして、じぶんは、そのまま さっさと、いってしまいました。おおかみは、ぺろりとごちそうをたいらげました。でも、まだまだ たりません。ほかのも ほしくなりました。そこで、ほかのもちょうだいしに、のこのこ でかけていきました。
ところが、おおかみのやりかたは、へたくそです。たちまち、子ひつじのお母さんに、みつかってしまいました。子ひつじのお母さんは、
みんなは、おおかみをみつけると、さんざんに ぶったたきました。おかげで、おおかみは
「やい、きさま、よくも おれをだましたな。おれは、ほかの子ひつじも さらってこようと、おもったんだ。そしたら、
と、おおかみはいいました。
「あんたは、どうして、そう、くいしんぼうなんでしょうねえ。」
と、きつねはこたえました。
あくる日、ふたりは、また
くいしんぼうのおおかみが、またもや いいだしました。
「おい、あかぎつね。なにか たべるものをもってこい。さもないと、おまえを ガリガリ たべちまうぞ。」
すると、きつねはこたえました。
「わたしは、ある
ふたりはでかけていきました。きつねは、
「さあ、ごちそうをもってきましたよ。」
と、きつねは、おおかみにいって、じぶんは、さっさと いってしまいました。
おおかみは、たまごパンを
「もっと、くいたいなあ。」
おおかみは そう いうと、こんどは、ひとりででかけていきました。
ところが、おおかみときたら、たまごパンを、おさらにはいったまま ひきずりおろしたのです。さあ、たまりません。おさらは下におっこちて、こなごなに われてしまいました。
ガラガラ ピシャン という すさまじい
おかみさんは、おおかみのすがたをみると、
「やい、きさまは、おれをひどいめにあわしたな。
と、おおかみはどなりました。
「あんたは、なんて、くいしんぼうなんでしょうねえ。」
とだけ、きつねはいいました。
三日めです。ふたりは、また そろってでかけました。おおかみは、きょうは、
それでいながら、また いいだしました。
「おい、あかぎつね。なにか たべるものをもってこい。さもないと、おまえを ガリガリ たべちまうぞ。」
すると、きつねはこたえました。
「わたしは、ある男をしってるんですがね。その男は
けれども、おおかみは、こんどは こう いいました。
「それじゃ、おれも いっしょにいく。おれがにげられなくなったら おまえに たすけてもらえるようにな。」
「どうぞ、おすきなように。」
と、きつねはいって、おおかみに、ぬけ
ふたりは、そこをとおって、ようやく あなぐらのなかへ はいりこみました。みると、
(こいつをかたづけるには、じかんがかかるな。)
と、おおかみはおもいました。
きつねも、うまそうにたべました。けれども、しょっちゅう、あたりを きょろきょろみまわしていました。そのあいだには、ときどき、さっきとおってきた あなのところへいって、じぶんの
それをみて、おおかみがいいました。
「やい、きつね。いったい なんだって、そんなに、あっちへうろうろ こっちへうろうろ、とびだしてったり とびこんできたりしているんだ。」
「だれかきやしないか、よく みはってないと、いけませんからね。」
と、きつねはこたえました。そして、つけくわえて、いいました。
「それより、あんまり たべすぎないほうがいいですよ。」
けれども、おおかみはいいました。
「このたるを からっぽにするまでは、ここを うごきやしないぞ。」
そうしているうちに、お
おおかみも、あわてて ついていこうとしました。ところが、あんまりたべすぎて、おなかが ぱんぱんにふくれています。はいってきたときのあなを、とおりぬけることができません。
お
きつねは、