あひるさんは泣きながら学校から帰つて来て、お母さんに申しました。
「お母さん、先生から頂いた月謝の袋を落したの。先生に
お母さんはおつしやいました。
「あひるさんや、カバンの中をしらべて見て、なかつたら、
そしてお八つの牛乳を下さいました。けれどもあひるさんは一口も飲みません。
「あひるさんや、さあ、お飲みなさい。心配をしないで。とてもあたたかくて、うまい牛乳ですよ」と、お母さんは、あひるさんの口に牛乳の
そして、あひるさんはベツドの中へもぐり込んで、
「お母さん、今すぐ月謝の袋を見つけて下さい」と、わあ/\泣きわめきました。お母さんは
あひるさんはベツドの中で、涙でグツシヨリになつて、
「ああ、
ところが、その晩は大変よいお月夜でした。学校の先生の
あひるさんのお母さんは先生に申しました。
「先生、うちのあひるさんは月謝の袋を落したといつて、泣いてばかりゐて、牛乳も飲みません」
烏先生は、ベツドの中へもぐつてしまつたあひるさんを、ベツドから引出して申しました。
「月謝の袋は
そこであひるさんは、やつと泣くのがとまつて、こんどはそれは/\うれしさうに、ニコ/\と牛乳を二本半と、御飯を四杯もたべて、ベツドの中へはいつて、