おまえはまだ立っているか
力強く立っていようとするか
風は吹いても地はゆらいでも
おまえはまだ立っていようと願
*
久し振りで地に親しむ事の出来た
土へのおまえの愛は
まことに美しいものだ
けれども今はおまえの執着は
おそろしいものだ
*
あくまで地に立っている事は
あくまで反逆の意味がふくまれている、真実に地を愛し慕うならば
おまえは立つ事を
やめねばならない
おとなしく大地のふところに
横たわらなければならない
*
立つ事は不自然だ
捨て様として捨て得ない
みれんなみにくい執着だ
おおおまえは安らかに
このすべての母なる
土の上で静かに
休む事を願わないか
一九二三・三