宵の星

今野大力




あついあつい
夕食後のあつさ
のんびりと立って見た
やっぱり暑い
むっちり蒸される様だ
ひたいには汗がこんなににじむ
    *
弟よ外へ行こう
庭の石に腰をかけて
鈴懸花の香をかいで
青く澄み渡った北国の宵空に
教えられたあの一つの星を探そう
    *
七月七日の夜も近づいた
牽牛織女の星がどこにあるか
それも探そう
天の川流れるあたり
天上の花のさても美しき事よ





底本:「今野大力作品集」新日本出版社
   1995(平成7)年6月30日初版
初出:「旭川新聞」
   1923(大正12)年8月3日
入力:坂本真一
校正:雪森
2015年5月24日作成
青空文庫作成ファイル:
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