静夜昇天

今野大力




柱時計のけだるきリズムに
眠たげなる洋燈の光りに
深々と沈みゆく我らが生
九時を聞き十時を聞き
すべては眠りをりするの時
みな底の吐息は泡となり
ほそぼそき昇天の心は
我生の魂と共にかいのぼりゆく





底本:「今野大力作品集」新日本出版社
   1995(平成7)年6月30日初版
初出:「旭川新聞」
   1924(大正13)年2月26日
入力:坂本真一
校正:雪森
2015年2月17日作成
青空文庫作成ファイル:
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