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お母さんがちょうのマザア・グウスはきれいな青い空の上に住んでいて、大きな美しいがちょうの背中にのってその空を
ですが、ほんとうをいえば、そのマザア・グウスはやはりわたくしたちと同じこの世界に住んでいた人でした。べつにお月さまのお隣の空にいた人ではありません。子供がすきな、そうして、ちょうどあのがちょうが
そのグウスというおばあさんはいまから二百年ばかり前に、その当時英国の植民地であった北アメリカにうまれたかたでした。そのおばあさんに一人のちっちゃなまご
それも初めはただなんということなしに節をつけておはなししたり、うたったりしたものでしょうが、そうしたものはどうしても忘れやすいものですから、また覚え書きに書きとめておくようになりました。そうなるとまた、そうして書きとめておいたのが一つふえ二つふえしていつかしら一冊の御本にまとまるようになったのでしょう。
そのおばあさんの養子にトオマス・フリイトという人がありました。この人は印刷屋さんでした。で、そのお母さんが自分の息子のためにうたってくだすった、そうしたありがたいお唄を
で、このマザア・グウスの童謡はずいぶんと古いものです。古いものですけれど、いつまでたっても新しい。ほんとにいいものはいつまでたっても昔のままに新しいものです。考えてみてもその御本がでてから、イギリスの子供たちはどんなにしあわせになったかわかりません。その子供たちがおとなになり、またつぎからつぎにかわいい子供たちがうまれてきて、またつぎからつぎにこのお母さんがちょうのねんねこ唄をうたって大きくなってゆくのです。それにこの御本がでてからしあわせにされたのはそのイギリスの子供ばかりではありません。イギリスのことばをつかっている国々の子供はむろんのことですが、世界じゅうのいろいろな国のことばに訳されていますので、そうした国々の子供たちもみんなしあわせにされているはずです。それにいろいろ作曲されて、ずいぶんひろくうたわれているようです。ですから、赤いくちばしと赤い水かきとをもったがちょうのおばあさんがおいすに腰かけて、おなじような赤いちっちゃなくちばしと赤いちっちゃな水かきとをもったちっちゃながちょうをおひざにのっけて、赤い御本をひらいている
日本ではこのわたしのが初めてです。日本の子供たちのために、わたしはこのお母さんがちょうを日本の空の上にきてもらいました。そうして空からひらひらとその唄のついたがちょうの羽根をちらしてもらったのでした。その羽根にかいてある字はイギリスの字ですから、わたしは桃色のお月さまの光でひとつひとつすかしてみて、それを日本のことばになおして、あなたがた、日本のかわいい子供たちにうたってあげるのです。そしてみんなうたえるようにうたいながら書きなおしたのですからみんなうたえます。うたってごらんなさい。ずいぶんおもしろいから。
その童謡の中には、青い
この本の中の童謡はおもにそのマザア・グウスから訳したのですが、そのほかにもイギリスやアメリカの子供のうたっているので違ったのがたくさんつけたしてあります。いろんな指あそびや、顔あそび、めくら鬼、はしご段あそびなど、日本のとちがった遊戯唄をおしまいのほうにのせてみました。皆さんでひとつやってくださるとうれしいと思います。
これからもまだいろんなものを皆さんのために書いてお贈りしたいと思っていますが、わたしもこれからほんとに念をいれて、がちょうが金の卵をうみ落とすように、ほんとにいい童謡をぽつりぽつりと落としてゆきたいと思います。
では、どうぞ、この本の初めにあるその金の卵の歌からよんでいってください。するときっとがちょうがあなたがたを背中にのせて、高い高いお月さまのそばまで
大正十年九月
白秋しるす
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マザア・グウスのおばあさん、
いつもであるくそのときは、
きれいながちょうの背にのって、
空をひょうひょう
マザア・グウスのすむ
一つ、ちんまり、森の中、
戸口にゃ一羽の
みはりするのでたっている。
むすこがひとりで名はジャック、
その子まずまずお人よし、
ずんとよいことせぬ代わり、
ずるいわるさもようしえぬ。
めすのがちょうを買ってくる、
「まあまあ、お母さん、みておいで、
そのうちいいこともあるでしょよ」
それからがちょうのめすとおす
なかよしこよしであそんでる。
いつもいっしょに
ガアガア、お池におよいでる。
ある朝、ジャックがいってみりゃ、
(ほんに話によくきいた)
金の卵がありまする。
うんでくれたはめすがちょう。
金の卵だ、はよ
ジャックはお母さんへとんでゆく。
お母さんもほくほくごきげんだ。
「それはよかった、おおできじゃ」
ジャックは卵をうりにでる。
それをかおうと
おもう半値もつけないで、
うまうまジャックをちょろまかす。
ジャックはお嫁とりにゆきまする。
むこうのおじょうさん
それはかわいい、うつくしい、
花の
ところへ、あとからつけまわす
かわいそなジャックにつっかかる。
そのときすばやく、すっときたは、
マザア・グウスのおばあさん、
道化の*ハアレクインにはやがわり。
つづいて、おばあさんが杖あげて、
きれいなおじょうさんをちょいと打ちゃ、
すぐにその子もはやがわり、
それこそかわいい**コランバイン。
金の卵は海の中、
どさくさまぎれにほうられる。
だけど、ジャックがとびこんで、
またももとへととりかえす。
それで、めすがちょうとった
ころしちまえといきまいた、
ポケットにたんまり金もうけ。
ジャックのお母さんは、それみると、
すぐにがちょうをひったくり、
そして、その背にうちのって、
お月さまめがけてとんでいった。
* ハアレクイン。道化芝居 の男役です。
** コランバイン。これは女役です。
[#改丁]** コランバイン。これは女役です。
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「だァれがころした、こまどりのおすを」
「そォれはわたしよ」すずめがこういった。
「わたしの弓で、わたしの
わたしがころした、こまどりのおすを」
「だァれがみつけた、しんだのをみつけた」
「そォれはわたしよ」あおばえがそういった。
「わたしの
わたしがみつけた、その
「だァれがとったぞ、その血をとったぞ」
「そォれはわたしよ」
「わたしの皿に、ちいさな皿に、
わたしがとったよ、その血をとったよ」
「だアれがつくる、
「そォれはわたしよ」かぶとむしがそういった。
「わたしの糸で、わたしの針で、
わたしがつくろ、経帷子をつくろ」
「だァれがしるす、
「そォれはわたしよ」ひばりがそういった。
「あかるいならば、くれないならば、
わたしがしるそ、戒名をしるそ」
「だァれがたつか、お
「そォれはわたしよ」おはとがそういった。
「
わたしがたとうよ、お葬式にたとうよ」
「だァれがほるか、お墓の穴を」
「そォれはわたしよ」ふくろがそういった。
「わたしの
わたしがほろよ、お墓の穴を」
「だァれがなるぞ、お
「そォれはわたしよ」
「
わたしがなろぞ、お坊さんになろぞ」
「だァれがならす、お鐘をならす」
「そォれはわたしよ」おうしがこういった。
「わたしはひける、力がござる、
わたしがならそ、お鐘をならそ」
ためいきついたりすすりなきしたり、
みんなみんなきいた、なりだす鐘を、
かわいそなこまどりのお
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へっこら、ひょっこら、へっこらしょ。
ねこが
めうしがお月さまとびこえた、
こいぬがそれみてわらいだす、
お皿がおさじをおっかけた。
へっこら、ひょっこら、へっこらしょ。
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ちびだからふとっちゃいなかった。
いつもあんよでおあるきで、
たべるときゃ
さてそこらからかけてでりゃ、
けっしてそこにはもういない。
きけば、かけてるそのときは、
どっちみちじっとしちゃいないそだ。
キイキイなくのは
それがさわいでわめくときゃ、けっしてだまっちゃいなかった。
たとえねこからおそわらなくとも、
はつかねずみがただのねずみでないのは御承知だ。
ところでたしかなうわさだが、
ある日、ひょっくり気がふれて、奇態な死に方した話。
とても
きゃつめおっ
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木のぼりのおさるさん、
おちたときゃ、そのときゃおちていた。
りんごかじりの
二つたべたときゃ、一対たべていた。
てくるときゃ、じっとたっちゃいなかった。
けがしたそのときゃ、血をだした。
かけっこしてゆくお
はやがけするときゃ、かけあしだ。
おくつそそくるくつなおし、
つくろっちゃったそのときゃ、しあげてた。
ろうそくつくるがろうそく屋、
型からひっぱいだときゃ、手にもってた。
スペインさしていった
かえったときゃ、またぞろやってきてた。
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ちいさな緑のお
ちいさな緑のお家の中に、
ちいさな金茶のお家がひとつ。
ちいさな金茶のお家の中に、
ちいさな黄色いお家がひとつ。
ちいさな黄色いお家の中に、
ちいさな
ちいさな
ちいさな
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ひとりふとっちょがボンベイにござった。
ある日、日なたでたばこのんでござった。
そこへ、ついときたはしぎという小鳥よ、
パイプひっさらってまたふいととんじまう。
そこでじれました、ボンベイのふとっちょ。
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うたえうたえ、六ペンスの歌を。
パイがはがれたそのときに、
すぐに小鳥がうたいだす。
もともと王さまにそなえます
きれいなお皿じゃ、そりゃないか。
『王さまは会計院で、
お金の
おきさきゃお居間で、
パンと
女中さんはお庭で、
そこへ小鳥が一羽とんでまいって、
つんとはじきました、女中さんのお鼻』
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いっちく、たっちく、おうやおや。
ねずみが時計をかけあがる。
柱時計がチーンとうつ。
ねずみがすたこらかけおりる。
いっちく、たっちく、おうやおや。
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お乳のよに白い大理石の壁に、
すいて
金のりんごがみえまする。
そのお城に戸一つないので、
どろぼうどもまでわりこんで金のりんごをぬすみだす。
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朝焼け小焼け、
ひつじかいの気がかり。
夕焼け小焼け、
ひつじかいの
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風がふきゃ、
まわります、
粉ひき車よ。
風がやみゃ、
とまります、
粉ひき車さ。
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一文なしの
どろぼうどもがやってきた。
にげた、にげた、
しめた、しめたとどろぼうどもがおっかけた。
それをみて文三郎、そろっとむこうへにげおりた。
こうなりゃみつかるまい。
かけた、かけた、
それで、ふりむいたが、もうだァれもみえなんだ。
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ファウスト
時々、お弟子たちをひっぱたく。
ひっぱたいて、おどらして、追ったてて、
イギリスでてからフランスへ、
フランスでてからスペインへ、
そしてまた、ひっぱたいて逆もどり。
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とこ、とこ、床屋さん、
ぶたの毛かっちょくれ、
何本、その毛がありゃたりる。
フンとお鼻でごあいさつ。
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おくつの中におばあさんがござる、
子供がどっさり、しまつがつかない、
おかゆばっかり、パンもなにもやらず、
おまけに、こっぴどくひっぱたき、
ねろちゅば、ねろちゅば、このちびら。
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一つの石に小鳥が二羽よ。
ファ、ラ、ラ、ラ、ラルド。
一羽がとんでった、一羽がのこった。
ファ、ラ、ラ、ラ、ラルド。
また一羽とんでった、だァれもなくなった。
ファ、ラ、ラ、ラ、ラルド。
石だけぽっつりのォこった。たったひとりのォこった。
ファ、ラ、ラ、ラ、ラルド。
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お年寄りのコオル王は愉快なお
愉快なお
すぐにパイプめして、お
そして
どれの胡弓ひきもよい胡弓もちでよ、
中で一番なは王さまの胡弓よ、
ツウイ・ツウイズル・デイ、ツウイズル・デイ。……
それそれ胡弓ひきがひきだしたよ、おききな。
だれにくらびょうか、めったにまたなかろ、
コオル王さまとその胡弓ひきよね。
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雨、雨、いっちまえ、
またいつかきなよ、
はよでてあァそぼに。
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お庭の花壇にぶたがでた。
それいってとっつかめ。
小麦の
はしれ、はしれ、男の子。
クリイムのおなべにねこがいる。
はしれ、はしれ、女の子。
山火事だ。
はしれ、はしれ、男の子。
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日の照り
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いばらのかげに、
ひもじさ、さむさ。
花さくかげに、
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のぼれいそいそ、またおりなされ、
鐘はロンドン、つけば数ござる。
「オレンジにレモン」
セント・クレメンツの鐘がなる。
「
セント・マアガレッツの鐘がなる。
「
セント・ギルスの鐘がなる。
「
セント・マアルチンスの鐘がなる。
「パン菓子におせんべい」
セント・ピイタアスの鐘がなる。
「二本の枝、一つのりんご」
ホワイト・チャペルの鐘がなる。
「灰かき、火ばし」
セント・ジョンスの鐘がなる。
「湯わかし、おなべ」
セント・アンヌスの鐘がなる。
「バルドペエトじいさんよう」
オルトゲエドののろい鐘。
「おまえに十シルリング貸しがある」
セント・へレンズの鐘がなる。
「いィつはろうてくれるんじゃ」
ふるいベエレエの鐘がなる。
「おいらが金持ちになったらな」
ショルジッチの鐘がなる。
「そしたらたのむよ、そのときは」
ステプニイの鐘がなる。
「おれんしったこつかい」と
ボウの大きな鐘の声。
さあきた、
さあきた、首切り役人がおまえのそっ首ちょんぎりに。
* ファシングは一ペンニイの四分の一。
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レディのうまのりゃ、
ツリイ、ツレ、ツレエ、
ツリイ、ツレ、ツレエ。
レディのうまのりゃこんなもんよ、はい。
ツリイ、ツレ、ツレエ。ツリ、ツレ、ツレエ。
ゼンツルマンのうまのりゃ、
ガロップ・エ・ツロット。
ガロップ・エ・ツロット。
ゼンツルマンのうまのりゃこんなもんだ、ほい。
ガロップ・エ・ツロット、ガロップ・エ・ツロット。
おひゃくしょうのうまのりゃ、
ホッブルデイ・ホイ、
ホッブルデイ・ホイ。
おひゃくしょうどんのうまのりゃこんなもんじゃ、はあ。
ホッブルデイ・ホイ、ホッブルデイ・ホイ。
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なんだかいってるけど、はっきりゃいえないで、
ぐっつ、ぐっつ、ぐっつぐつ。
むこうの小岡にひとりの男が、
たってはいれども、じっとしちゃいられず、
ひょっこり、ひょっこり、ひょっこりしょ。
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月の中の人が、
ころがっておちて、
北へゆく道で、
南へいって、
お舌をやいてこォがした。
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十人よ、くろんぼの子供が十人よ。
おひるによばれてゆきました。
ひとりがのどくびつまらした。
そこで、
どの子もどの子もあさねぼうで、
ひとりがとうとうねすごした。
そこで、八人になりました。
八人よ、くろんぼの子供が八人よ。
いっしょに*デボンを旅してて、
ひとりがとちゅうでとどまった。
そこで、
七人よ、くろんぼの子供が七人よ。
木ぎれきりにとみないって、
ひとりがまふたつに腹きった。
そこで、六人になりました。
六人よ、くろんぼの子供が六人よ。
はちの巣いじって、かまってて、
ひとりがくまんばちにさァされた。
そこで、五人になりました。
けんかしてお訴訟をおォこした、
ひとりが裁判所へゆきました。
そこで、四人になりました。
みんなで海へとでかけたら、
赤いにしんにひとりがのォまれた。
そこで、
三人よ、くろんぼの子供が三人よ。
こんどは動物園へいったれば、
くまめがひとりをひん
そこで、ふたりになりました。
ふゥたりよ、くろんぼの子供がふゥたりよ。
かんかん日だまりィすわりこみ、
ひとりがちぢれてやけしんだ。
そこで、ひとりになりました。
ひィとりよ、くろんぼの子供がひィとりよ。
いよいよ、たったひィとりよ、
その子がお嫁とりにでていった。
そこで、だァれもなくなった。
* デボンはイギリスの西南部の一県で、デボンシイルのことです。
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お月さまの中のおひとが、
お月さまの外をながめて、
そして、こうおっしゃるわ。
いま、いま、わたしはおきかかる。
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右や左や、クリスマス。
がちょうがふとってめえりやす。
どうぞや
じいめが帽子にほうりこんでくだされ。
一ペンニイがおいやなら半ペンニイでもようござる。
半ペンニイでもないならば、
ごきげんよろしゅう、だんなさま。
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べああ、べああ、ブラック・シイプ
おまえはいい毛をおもちだろ。
はい、はい、ふくろに
だんなさまに
おくさまに一ふくろ、
だっけど、そこらの細道で、
べそかくぼっちゃんにゃ、いィやいや。
[#改ページ]
ちびこ、
なまえはナンシイ・エッチコウト、
白いペッチコウトに
赤い鼻もって、
ながくたってるほど、
みじかくなってしまう。
[#改ページ]
ちっちゃなテイ・ウイは海へゆき、
たななしボオトにのりこんで、
ゆらゆらゆられているうちに、
ちっちゃなボオトがひっくりかえり、
これでお話もおォしまい。
[#改ページ]
三月、風よ。
四月は雨よ。
五月は花の花ざかり。
[#改ページ]
グレゴリイ・グリッグスさんは、
グレゴリイ・グリッグスさんは、
二十と七つのお
とっかえ、ひっかえ、ひっかえ、とっかえ、
東へいっちゃひっかぶり、
西へいっちゃひっかぶり、
それでも、どの面がいちばんおすきか、
やっぱり御本人でおいいやれぬ。
[#改ページ]
ししと
ふたりで王位をせりあった。
ししがつよかったで、
街を
そこで、白パンやったり、
黒パンやったり、
やっとこすっとこおいだした。
[#改ページ]
くつやさん、おうち。
はい、はい、こんにちは。
おくつのつくろいたのみます。
よしきた。
こちらに
とんとんとんのとん。
[#改ページ]
ジイニイ、むすびにきとくれよ。
ジイニイ、むすびにきとくれよ。
ジイニイ、むすびにきとくれよ。
わたしのきれいなくびまきを。
わたしはうしろでむすんでよ。
わたしは
わたしは何度もむすんでよ。
もうもうわたしはかまやせぬ。
[#改ページ]
セント・イブへとわしがおまいりするときに、
わしがあったは男ひとりにおかみさんが
そのどのおかみさんもふくろを七つ、
そのどのふくろにもねこめが七つ、
そのどのねこにもこねこが七つ。
セント・イブへとおまいりするのが、
さてさて、
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世界が一つのパイなら、
海がすっかりインキなら、
木がまたチイズとパンならば、
おれたちののむものそりゃ、なんだ。
それこそ
頭をかかえてちょいとまいろ。
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「ちびねこ、さんねこ、かわいの子、
どこへおまえはいってたの」
「あたいはいってたの、ロンドンに、
おめみえしたのよ、女王さまに」
「ちびねこ、さんねこ、かわいの子、
そこでおまえはなにしたの」
「そうそ、玉座のおいすもと、
ねずみをちょろまかつかまえた」
[#改ページ]
いぬとねことがお友達にあいに、
ちょいと、
ねこがもうします。
「お天気はどうでしょね」
いぬがもうします。
「さようさ、おくさんえ、雨がふりそでござんすが、
御心配はいりません、てまえがこうもり
そのときゃごいっしょに、
[#改ページ]
ポウリイ、やかんをかけときな。
ポウリイ、やかんをかけときな。
ポウリイ、やかんをかけときな。
みんながのむんだ、お茶ァだよ。
スケイ、そいつをおはずしな。
スケイ、そいつをおはずしな。
スケイ、そいつをおはずしな。
みんながもうもう
[#改ページ]
ペエタアさん、ペエタアさん、
女房もってもお
やっとこ、ほくほくお守りした。
[#改ページ]
ぼう、うぉう、うぉう、
おまえさんどこのいぬ、
わたしゃティンカアさんのいぬですよ、
ぼう、うぉう、うぉう。
[#改ページ]
トムミイ・ツロットさん、
ベッドを売って、
わらの上へごろりよ。
そのわら売って、
草の上へごろりよ。
そしておかみさんに
[#改ページ]
お
おうまがうせる。
おうまがへれば、
のりてがうせる。
のりてがへれば、
王さまのお国ゃうせる。
おうまの
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二十四人の仕立屋が
ででむしころしに、えっさっさ。
めったにしっぽにゃふれまいぞ。
そりゃこそででむしが
ちっちぇえカイロうしそっくりだ。
にげにげ、にげなきゃいまにもころされる。
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ででむし、ででむし、角だせや、
お
おまえの
パンをおくれェと
[#改ページ]
お針みつけたらつまみあげておとりな。
その日いちんちいいことばかり。
お針みつけてそのまましときゃ
その日いちんちわるいことばかり。
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風よ、ふけ、ふけ、
ひきうすまわせ、
粉屋粉ひき、
パンやさんがこねて、
朝はほやほやふかしたて。
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気軽な粉屋が
デイ
朝から晩まで
はたらいちゃうたう。
ふざけてばっかり、
一つことばかり、
おきまり文句で
一つことばかり。
『だれにかまうもんか、いやいや、わたしゃ、よ。
だれがかまうかよ、このわしに。ホイソラ、ホイソラ』
[#改ページ]
いなかっぺいのおたずねだ。
『いちごが何本海にある』
うまく返事をしてのきょか。
『
[#改ページ]
おばあさんがひとりおかごにのって、
ふらふらあがる。
月よりたかく、
どこへゆくのか、きこうにもきけず、
お手々にほうきをもって、あれあれあがる。
『おばあさん、おばあさん、おばあさん、
どこへゆくの、どこへ、
そんなにたかくあァがって』
『
『はァやくかえってちょうだいよう』
『あい、あい。ちょっくら、いますぐだ』
[#改ページ]
すっとんきょうな
それは皆さまとくより御承知だ。
きゃっきゃさわいで
しかも、めっそうもない、
これというもの根っから葉っからみつからない。
一つみつけたは
それが
「あれは船だ」と一番さきのがいいだした。
「なんの、うそだ」と二番目のがうちけした。
「あれは
「こわれ
これというもの根っから葉っからみつからない。
一つみつけたはおすべり屋のお月さんだ、
それがふかれてつるつるとすべった。
「あれはお月さんだ」と一番さきのがいいだした。
「なんの、うそだ」と二番目のがうちけした。
「あれはチイズさ」と三番目のがいいのけた。――
「二つわりにしたその半分きりさね」
またもいちんち
これというもの根っから葉っからみつからない。
一つみつけたは木いちごやぶのはりねずみ。
それをうしろにとおりすぎてしまう。
「あれははりねずみだ」と一番さきのがいいだした。
「なんの、うそだ」と二番目のがうちけした。
「あれは針さしさ」と三番目のがいいのけた。――
「よくもめちゃくちゃにお針をさしたもんだすな」
またも夜っぴて、猟をしてまわり、
これというもの根っから葉っからみつからない。
一つみつけたはかぶら
それをみすててまたいってしまう。
「あれは野うさぎだ」と一番さきのがいいだした。
「なんの、うそだ」と二番目のがうちけした。
「あれはこうしさ」と三番目のがいいのけた。――
「あいつ、めうしにおきざりされたやつだんね」
またもいちんち、猟をしてまわり、
これというもの根っから葉っからみつからない。
みたは
それをうしろにまたいってしまった。
「あれはふくろうだ」と一番さきのがいいだした。
「なんの、うそだ」と二番目のがうちけした。
「あれはじじいさ」と三番目のがいいのけた。――
「それそれごましお頭の髪の毛をみさいな」
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あいつぁよっぽどみょうだ、まっすぐにゃゆかぬ。
そのわけしってるか、
鼻のむいたほうへむいてゆく。
どうりで、やっこさん、鼻まがり。
[#改ページ]
あの丘のふもとに
おばあさんがござった。
もしも
まだ住んでござろ。
[#改ページ]
あたいのめうしはちっぽけだ。
ひょろひょろ、ひょっこり、ひょっこりよ。
あたいのめうしは、ちっぽけだ、
めうしのふくらはぎはちっぽけだ。
ひょろひょろ、ひょっこり、ひょっこりよ。
あたいのお歌はまだなかば。
あたいのめうしはちっぽけだ。
ひょろひょろ、ひょっこり、ひょっこりよ。
あたいのめうしはちっぽけだ。
やっとこうし小屋へおいこんだ。
ひょろひょろ、ひょっこり、ひょっこりよ。
そこでお歌もちゃんちゃんだ。
[#改ページ]
ねんねや、ねんねや、おねんねや、
ぼうやがお
お
ねんねやねんねとゆすりましょう、
ゆすればお夢がふりかかる。
ねんねや、ねんねや、おねんねや。
[#改ページ]
こびっちょの男の子はなんでつくる、なんでつくる。
こびっちょの男の子はなんでつくる。
かわずとででむしとこいぬのしっぽでつくられた。
それそれ、こびっちょの男の子がつくられた。
かわいい女の子はなんでつくる、なんでつくる。
かわいい女の子はなんでつくる。
おさとうに
それそれ、かわいい女の子がつくられた。
[#改ページ]
ねんねこ、ねんねこ、ねんねこや。
なァいてお
なかれりゃわたしもつろござる。
ねんねこ、ねんねこ、ねんねこや。
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はしっこいジャック、
すばやいジャック、
ろうそくたて一つ、
ジャックが
とびこした。
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ででむし、でむし。
ぬすっとがくるぞ、おめんちの壁を
ぶっこわしにくるぞ。
ででむし、でむし。
その角だせよ。
ぬすっとがくるぞ、小麦をとりに、
ぬすっとがくるぞ、夜あけの四時に。
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弓をひき、
おはとを射ったら、
からすめをころした。
[#改ページ]
ででむし、ででむし、角だせや。
パンとお麦を、それ、あげよ。
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とてもがむしゃら、おりこうさん、
いきなりばんばら
おやおやっ、眼玉がつん出たら、
それこそこんどはくそ力、
横っちょの小藪へとびこんだ。
そしたら眼玉がすっこんだ。
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やまがらのおしゃべり、
お
町じゅうのいぬが
ちんぢんにかんじゃうぞ。
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ハアトのクインが
みんなできたよ、夏の日いっぱいかァかった。
ハアトの
こいつしめたとそっくりもってにげてった。
ハアトのキングが
そりゃこそたいへん、
ハアトの
まっぴら
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コケコッコ、コケコッコ、コケコッコ。
おくさんがおくつをなァくした。
だんなさんがヴァイオリンの弓をなくし、
どうしていいのかおおよわり。
コケコッコ、コケコッコ、コケコッコ。
おやおや、おくさんどうなさる。
だんなさんがヴァイオリンの弓をさがす、
それまで、はだしでおおどりか。
コケコッコ、コケコッコ、コケコッコ。
おくさんがおくつをなァくした。
だんなさんがヴァイオリンの弓をみつけ、
それきた、コケコッコ、コケコッコ。
コケコッコ、コケコッコ、コケコッコ。
さあさあ、おくさん、それおどろ。
だんなさんがヴァイオリンの弓をこすり、
それそれおどれと、コケコッコ。
コケコッコ、コケコッコ、コケコッコ。
おくさんがおくつをなァくした。
ねてもねられずおおよわり、
頭の
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でんでんむしむし、
角ひけよ。
ひかなきゃ
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ひとりのおばあさんと三人のむすこ、
ジェリイ、ジェムス、それにまたジョンよ。
ジェリイは首くくった。ジェムスはおぼれた。
ジョンはどこかへいなくなってしまった。
だァれもみつけたものがない。
三人のむすこがみんなしんでしまった。
ジェリイ、ジェムス、それにまたジョンよ。
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てんとうむし、てんとうむし、
はよう
おまえの
みんな子供がやけしんだ。
むすめのアンヌがたったひとり、
プッジングのなべの下に
つんぐりむんぐりもぐった。
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あったかいパン、
あったかい、あったかい、あったかいパン。
一ペンニイで一つ、二ペンニイで二つ、
あったかいパン。
おまえにむすめがないならば、
おまえのむすこにおあげなえ。
一ペンニイで一つ、二ペンニイで二つ、
あったかいパン。
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さてもゴットハムの三りこう、
おわんにのっかって海へでた。
もそっとおわんがしっかりさえしてりゃ、
ここらでこの歌もきれやしまい。
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気ちがいの御亭主に、
気ちがいのおかみさん、
気ちがい
三つ児をうんで、
どの児もどの児も気がちごた。
お父さんが気ちがい、
お母さんが気ちがい、
みんな子供が気ちがい。
気ちがいうまにのって、
いっしょくたに、みんなのって、
まっくら
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あたいのちっちゃなだんなさま、
こまめのおつぼにちょいといれて、
どんがどんがはやしてせりあげよ。
ちっちゃなおうまも
そして、とっととかけさして、
たづなとらせて、くらおいて、
さあさ、ねりだそ、町の外。
かわいいくつした
それにはちっちゃなとめ
ちっちゃなお鼻をふきゃるには
かわいいちっちゃなハンカチフ。
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一つのたるに、三人はいり、
どんどこ、どんどこ、すっどんどん。
あいつらだれだ。
肉屋にパン屋、
ろうそく屋の亭主。
つっころがしてしまえ。
しようのねえやつらだ。
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ねんねの小鳥が
一羽がジャックで、ほかのがジルよ。
とんでったジャックが、
とんでったジルが、
またきたジャックが、
またきたジルが。
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トム、トム、トムぼうず、
笛ふきのむすこ、
ぶたをぬすんでにげたはよいが、
ぶたはたべられ、トムぁぶったたかれ、
ないておんおん街をかけた。
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いぬはぼうおう、
ねこはみゅうみゅう、
おぶたはぐるんぐるん、
ねずみはすけえく。
ふくろはつうふう、
からすはかうかう、
めがもはくゎっくくゎっく、
うしもうもう。
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ちいさなまきげの、
ちいさなおじょっちゃん、
ごきげんいいときゃ、
それはそれはいい子で、
おわるいときにはこォわい子。ソレ、こォわい子。
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やぶ医者のフォスタアさんが、
グロオスタアへいって、
にわか雨にあって、
水たまりに立ち往生して、
おへその上まで水びたり。
それから二度とはようゆかぬ。
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お月さんのおとりもちでお嫁にござった。
きれいずきの、
おひるにでもならなきゃなんとしてもおきない。
ほんとにしまるなら、それこそたのむよ。
やっとこさとおきればおもいきってせかせか、
きれいずきの、世帯もちの、しまりやのおかみさんだ。
灰かきで麦っ
ほんとにしまるなら、それこそたのむよ。
ながぐつにどろどろどしこんだバタをよ、
きれいずきの、世帯もちの、しまりやのおかみさんだ。
ひっかき棒のかわりにお足でべっちゃべっちゃ。
ほんとにしまるなら、それこそたのむよ。
チイズは台所の物置のおたなに、
きれいずきの、世帯もちの、しまりやのおかみさんだ。
ひとりでにころげるまでうっちゃっちゃってかまわない。
ほんとにしまるなら、それこそたのむよ。
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ぶうん、ぶうん、ぶうぶうぶ。
はえがくまんばちにお嫁いり、
いよいよ教会へいきやして、首尾よく御祝儀あいすんだ。
はえとくまんばちの御婚礼。
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タッフィはウェルス人、タッフィはどろぼう。
わたしの
タッフィの
タッフィがやってきて、
タッフィの家へいったらば、タッフィはいなかった。
タッフィがやってきて、こんどは
タッフィの家へいったらば、タッフィはねていた。
そこで
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黒白まだらの御面相は、
チャアレエ・ワアレエの
その木戸あけねえか、おとおりじゃ。
チャアレエ・ワアレエのばばァ牛。
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とっぴょくりんのとん吉が、
とっぴょくりんのとん吉が、
おまんじゅうをいただいて、
そとがわだァけのォこした。
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卵うりましょうと、わしがゆく道で、
でおうた、でおうたよ、ねじれ足とでおうた。
足はねじれ足、
こいつおもしろいとかかとをちょいとすくう、
そこで、すとんと地べたに小鼻をぶっつけた。
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かささぎが一羽よ、なしの木にとォまった。
かささぎが一羽よ、なしの木にとォまった。
かささぎが一羽よ、なしの木にとォまった。
おおしんど、ああしんど、おおしんどよう。
うれしそに一度よ、ちちんがちんとはねた。
うれしそに二度よ、ちちんがちんとはねた。
うれしそに三度よ、ちちんがちんとはねた。
おおしんど、おおしんど、おおしんどよう。
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「これ、これ、こいきなおむすめご、
おまえはどちらへおいでです」
「お乳しぼりにまいります」
「これ、これ、こいきなおむすめご、
わたしもいっしょに
「ええ、ええ、そんならうれしいわ」
「これ、これ、こいきなおむすめご、
おまえのお父さんはなになさる」
「わたしのお父さんはおひゃくしょうよ」
「これ、これ、こいきなおむすめご、
おまえさんに
「いえ、いえ、
「これ、これ、こいきなおむすめご、
そんならお嫁さんにゃちとこまる」
「いらぬおせわでござります」
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かえろよ、かえろよ、市場にゃおくれた。
市場へ、市場へ、
かえろよ、かえろよ、市場ははねた。
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掛け算はしちめんどう、
割り算は
比例は人なかせ、
応用問題気がちがう。
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青い
灰色の眼は陰気、
黒い眼は腹黒、
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五月のみつばちゃ、
六月のみつばちゃ、
銀のさじとおなじ
七月のみつばちゃ、
はえの一匹にも、つっかわぬ。
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朝のかすみと夕焼け空は、
くもる日ぐれと朝焼け空は、
お
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きれいな小鳥、かっこ鳥、
とびとびうたうかっこ鳥、
ないてしらするその声は、
つゆうそのないいいしらせ。
小鳥の卵すするゆえ、
なく
はやもなきます、かっこうと、
夏がもうじきまいります。
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豆んちょの
豆んちょのこぞうっこ、
よその
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ソロモン・グランディは、
月曜日にうまれて、
火曜日に洗礼うけ、
水曜日に嫁とったが、
木曜日には病気になり、
金曜日にずんと
土曜日におっ
日曜日にはうめられた。
ソロモン・グランディの
そこでおしまい、ちゃァんちゃん。
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お池にござるはかえるどの、
お池にござるはかえるどの、
はつかねずみは
相手ほしやのかえるどの、
相手ほしやのかえるどの、
でんでんむしの背中にうちのって。
はつかねずみのお
はつかねずみのお宿まで、
そこで戸たたく、ものもうす。
「はつかねずみのお
はつかねずみのお
お気にめしたか、めすまいか」
「なんとお返事いたさりょうに、
なんとお返事いたさりょうに、
まして
ねずみの
ねずみの
「だれかみえたぞ、るすのうち」
「いやな
いやな
そこでなきなき、かえるどの、
なきなき、小川をかえるどの、
めがものお
よいものみつけた、ござんなれ、ござんなれ、
めがものお
ぱくとのまれてきゅうきゅうきゅう。
さてもあわれな物語、
ここらあたりで、あなかしこ。
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豆っちょろのお
そこへだれだかぬうとでて、
かっと口あけ、すう、ぱくり。
お
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ロンドン
ロンドン橋がおちた。
なんでこんどかけるぞ。
なんでこんどかけるぞ。
銀と金とでかけてみろ。
銀と金とでかけてみろ。
銀も金もぬすまれた。
銀も金もぬすまれた。
鉄と鋼鉄とでかけてみろ。
鉄と鋼鉄とでかけてみろ。
鉄でも鋼鉄でもへしまがる。
鉄でも鋼鉄でもへしまがる。
材木と粘土とでかけてみろ。
材木と粘土とでかけてみろ。
材木、粘土はながされる。
材木、粘土はながされる。
そんなら石でかけ、そりゃ
千年万年
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世界じゅうの海が一つの海なら、
どんなに大きい海だろな。
世界じゅうの木という木が一つの木ならば、
どんなに大きな木であろな。
世界じゅうの
どんなに大きな斧だろな。
世界じゅうの人たちがひとりの人なら、
どんなに大きな人だろな。
大きなその人がおおきな斧をとって、
大きな木をきり、
大きなその海にどしんとたおしたら、
それこそ、どんなにどんなに大きい音だろな。
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空はじめじめ、
雨もよい、
ちっちゃなおじいさんにでおうたら、
身ぐるみ
あごに
「おさむう、おさむう、こんにちは」
空はじめじめ、
おわかれと、
よぼよぼなかまが手をにぎり、
身ぐるみ革きて、
あごに
「さよなら、さよなら、またいつか」
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アアサア王の
アアサア王はよいかたで、
いよいよ王さまのお手製で、
それには山もり
王さまとおきさきとがまずめして、
つぎに大臣たちがおしょうばん、
そしてその夜のおあまりは、
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どうしたことだえ、このおばば、
のんだりくったり、そればかり、
ほかにはなんにもようせぬで、
くうのとのむのが商売かい、
むしゃむしゃ、がぶがぶ、ぐずりばば、
ぶつぶつぶつぶつまだやめぬ。
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ツラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ。
それ手をはなした、
どっちがはやいか。
ツラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ。
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ジャック・スプラットとその
じいさはたべてもやせこけだ、
ばばさはふとっても
ふたりの
お皿はすべすべなめてある。
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背骨まがりの旅をして、
背骨まがりの石段で、
背骨まがりの六ペンスをひろい、
背骨まがりのねこを買い、
背骨まがりのねずみをとらせ、
背骨まがりの豆んちょの
背骨まげまげおさまった。
(注)あちらでは、つむじまがりのことを背骨まがりと申します。
[#改ページ]
おらがお
うまを六匹くんさんし。サテ、
うまを六匹売っとばし、
めうしを一匹、こちゃ買ってな、
そこでめうしを売っとばし、
ふくらはぎを一本、こちゃ買ってな、
一身上あんべとごきげんだ。サテ、
極上肉を半ぺら、またなくす。
そこでふくらはぎを売っとばし、
めねこを一匹、こちゃ買ってな、
あまっちょのねこめも
またまたねこめを売っとばし、
はつかねずみを、こちゃ買ってな、
おらのお
[#改ページ]
さてもこのたび、ねこが王さまに
ごぶじにおさまりゃ、しあわせだ。
[#改ページ]
がァ、がァ、がちょう、
うろついてどこいこ、
おくさまのへやで、
じじいにであった、
そのじじいどうした、
そこで、そいつの左の足をすくって、
すってんころりとあがり段からころがした。
[#改ページ]
火の中に
粘土の中にはすっからかん。
やぎが
めうまが麦くう。
[#改ページ]
足なが、せむし、
それなァに。
[#改ページ]
おじょっちゃん、おぼっちゃん、外へでてあすぼ、
お月さま光る、昼のようにあかる。
口笛ふいてきなよ、よばわってきなよ。
上々きげんででてきなよ。でなけりゃおことわり。
街へでてきなよ、あそびなかまがまっているに。
ときの声あげて、とんだりはねたりしておいで、
お月さまの光にぐるぐるまわっておどりましょう。
あがり段にのぼり、石垣とびおりて、
ころがしゃお
牛乳が買える、はちのみつが買える、
[#改ページ]
はいしどうどう、
おうまにのって、
チャアリング・クロスへいてみよか。
きれいなレディが、
白いうまにのって、
お手々に指輪、
おくつに鈴つけ、
ちんからちんからとおる、
それみにいこか。
ちんからちんから、りんりん。
[#改ページ]
なけなけ、赤ちゃん、
眼玉にお指をつっこみな。
そしてお
あれはぼうやじゃないとおいい。
[#改ページ]
北風ふけば、
雪がふろ、
かわいそなこまどりはどうするぞ。
かわいそなものね。
お倉の
もゥぐりこゥぐり、ぬくもろぞ、
お羽根の
かわいそなものね。
[#改ページ]
めくら鬼、めくら鬼、
めん
くるくる三遍まァわって、
わたしをつかめてごらんなね、
こォろぶなころぶな、
だれでもいいからとっつかめ。
わたしはこっちだよ、とっつかまえたとおおもいか。
[#改ページ]
みろやい、ひととび、
おりゃここだ、
だァれもこれまい、
おれひとり。
[#改ページ]
上へいった、いった、いった。
下へいった、いった、いった。
前へいった、うしろへいった。
ぐるぐるぐるとまァわった。
[#改ページ]
(五つの指のさきをつついてうたう)
一 このぶた申す。みんなして森へ。
二 このぶた申す。なにしに森へ。
三 このぶた申す。お母さんにあいに。
四 このぶた申す。そしてそしてどうするの。
五 このぶた申す。かじりついてキッスしよ、キッスしよ。
[#改ページ]
(おなじく)
一 このぶた、ちびすけ、
二 このぶた、ちびすけ、お留守番でござる。
三 このぶた、ちびすけ、牛肉あぶった。
四 このぶた、ちびすけ、なァんにももたなんだ。
五 このぶた、ちびすけ、ういういうい。
いっしょにお
[#改ページ]
(五つの足をつつきながらうたう)
一 おくつをはかしょ、こうまにはかしょ。
二 めうまにはかしょ。
三 ふくろを
四 しょったか、みよよ。
五 しょったら、麦よ。
しょわなきゃ、脳みそぶっつゥぶしょ。
[#改ページ]
ながい尾のぶたに、
みじかい尾のぶたに、
尾のないぶたに、
めぶたにおぶた、
まきじっぽのこぶた。
[#改ページ]
甲 あァがった、あがった、はしご段を二つ。
乙 ちょうど、わたしのとおりよ。
甲 あァがった、あがった、はしご段を四つ。
乙 ちょうど、わたしのとおりよ。
甲 おへやへはいった。
乙 ちょうど、わたしのとおりよ。
甲 お窓の
乙 ちょうど、わたしのとおりよ。
甲 そこでおさるをみィつけた。
乙 ちょうど、わたしのとおりよ。
[#改ページ]
ワン、ツウ、スリイ、フォア、ファイブ、
なぜそれにがした。
指をかんだ、手をかんだ。
どっちの指かァんまれた。
この右の小指よ。
[#改ページ]
ふたりの
おんどり。(右のほお)
めんどり。(左のほお)
いそいで
チンチョッパア、チンチョッパア。
チンチョッパア、チン。(あごをなでる)
[#改ページ]
このベルならした。
(髪の毛を一つまみ、ひっぱる)
このドアたたいた。
(額をたたく)
この
(鼻をつまみあげる)
さあ、さあ、はいりましょ。
(口をあいて指を中へつっこむ)
[#改ページ]
二本足がすわった、三本足の上に。
一本足をしゃぶった。
一本足さらってにげてった。
二本足がとびあがり、
三本足をひっつかみ、
四本足めがけてなげつけた。
そこで一本足をとりかァえした。
(注)一本足は牛の骨、二本足は人間、三本足は腰かけ、四本足は犬。
[#改ページ]
一番さきにねた子に金の
二番目にねた子に金の
三番目にねた子に金の小鳥。
[#改ページ]
よぼよぼがらすが
一羽地にとまった。
そこでお
[#改ページ]
「マザア・グウス」の童謡は
ほんとうを言うと、民謡とか童謡とかいうものは、たとえそれがある種の詩人の作だったにせよ、その歌謡が一般民衆のものとなった以上、その作者の名は忘れられて、その歌謡だけがすべての民衆のものとなる。そうして残れば残るだけ、その歌謡は民謡として成功したものだといいうる。すなわち作者の名が忘れられれば忘れられるだけ、ほんとうの民謡として光あるものであるのだ。
今日「マザア・グウス」の童謡として伝えられているもののうち、グウス夫人の作がむろんすべてであるとは思えぬ。いろいろ作者未詳のもの、子供そのものの声が混入しているにちがいない。グウス夫人の名すらも英国その他の英語本位の国々では忘れられて、子供たちはいわゆるお母さんがちょうの
ことにその快活、その機智、その鋭い
私はまたこれらの Nursery Rhymes を訳しながら、洋の東西を問わず子供の感情ないし感覚生活ということについてはほとんどおんなじだということに驚かされた。この中の「てんとうむし」のごときは全然日本の「からすからす」の童謡とそっくりではないか。幾つかの「ででむし」の
ただ、彼においてはきわめて都会的な軽快味とその縦横
私がこの集に訳出したのは「マザア・グウス」の童謡を主として、なお英米児童の間に行なわれている遊戯唄ねんねこ唄その他のものを取り混ぜた。
翻訳するに当たっては四、五種の童謡集、楽譜等をかれこれ参照した。同一の童謡でもいろいろ歌いくずされたり、抜かしたりしてある。はなはだしいのは
元来、翻訳ということはむずかしい。とりわけ韻文の翻訳は難行である。語学者でもなく、学力も乏しい私が、この難事に身を入れることはかなりはばかられることではあるが、ただ幸いに私は詩を作っている、民謡としての日本のことばをどうにか風味してきた。で、詩とか民謡とかについては、その真精神、そのリズムの動き方等にはまずまず相当の理解を持っているつもりである。で、その力を頼りにともかくやりはじめてみたのであった。
第一の困難は、これらの童謡はむろん手拍子足拍子で歌うべきものであるので、訳もまたきわめて民謡風の動律で、全然歌うようにしなければならない。で、原謡のリズムの動き方についてはそのとおりそのままの推移法を必要とする。これを違った国のことばで移そうとするのはかなり無理なことである。そしてまた歌えるようにするのはなおさらである。
で、ある少数の例外を除いて、私はなるべく一行ずつほとんど逐次に訳していった。大体において逐次訳といっていい。そのおかげて私は創作以上の苦しみをなめた。
もっとも、一昨年あたり、はじめてこのことに着手した当座はまだ不馴れで、充分手に入らなかったゆえに、謡いものとするために多少の手加減をしなければ思うように訳せなかった。それが次第に厳格な逐次訳でどうにか納めていけるようになった。で、この中には少数の手加減を入れた例外がある。
それから、Rain, rain go to Spain というような音韻上の引っかけことばのものは訳しようとするのがそもそもの無理であるから訳しなかった。「雨、雨、スペインへ」では原謡のおもしろみがなくなるからである。日本でなら「雨、雨、
Baa, Baa, Black Sheep というようなのも困った。すべてBでいっているのであるが、日本の黒羊のくにBは掛からない。かといって、「くうくう黒羊」でも羊のなき声は出ない。「なけなけ、黒羊」では意味だけのものになる。意味だけのものでは、ほんとうの訳にはならないのだ。しかたがなければその言語のまま生きさせるほかに道がない。
「やぶ医者のフォスタアさんが、グロオスタアへいって」というふうのものはこれもことばの上の引っかけであるが、固有の名詞でそのままやれるから、そのとおりにしておいた。「お医者さまの
それからまた、
月の中の人が
ころがっておちて、
北へゆく道で
南へいって
凝 えた豌豆汁 で
お舌をやいてこォがした。
の原謡では「ノルウィッチへいく道をきいて、南へいって」であるが、ノルウィッチはロンドンの北に当たるので、本質の精神は北へが南と対照して、ノルウィッチを知らない日本の子供にはっきりわかるし、このほうがずっと簡潔でいいからである。こんな場合の地名は除けた。しかし、この例もほかにはめったにない。たいがい生かすべき固有名詞は生かした。ころがっておちて、
北へゆく道で
南へいって
お舌をやいてこォがした。
それからまた、日本語になおす場合に、語法の相違から、動詞の過去を現在格にしたり、そのまま直訳するよりも、かえってピタと本質的にその意に合う日本語がある場合は、その無意味な直訳は避けた。その真精神にそむくばかりでなく、日本語としても生きないからである。
それから、正直に「うまく返事をしてのけた」と訳したでは、かえってその本当の面目が出ない場合は「うまく返事をしてのきょか」というふうにしたのもある。
それからまた、「二十四人の仕立屋がででむしころしにいきました」を「二十四人の仕立屋がででむしころしにえっさっさ」とやったのもある。意は同じでも、えっさっさのほうが一列に、活動人形そのままになって、足がさくさくとおなじに動くからである。
それからみだりがましくてちょっと困るのは多少気品をよくするために手加減したのがある。
で、こういうのは例外であるけれども、それだからといって充分意識してやっているのであるから、詩法を知らぬ語学者から頭ごなしに誤訳呼ばわりをされたくない。
ただ、学力の不足のためか、うっかりしたためにとんでもないまちがいをしたことがあるかもしれない。そうした条々がもしあればどうか御教示にあずかりたくお願いする。
私はそれらの内容と動律の本質とをわが日本の民謡語であたう限り生かしきろうとつとめた。生かしえたなればありがたい。創作するとほとんど同様の誠意と熱心とをこれに傾けたのもこのゆえである。で、ある意味においては半ば私の創作ともいえよう。
以上