片山敏彦




われはわれを破らねばならぬ
わがまことの情熱をはばむわが型を内からこはさねばならぬ。
本能の泉のなつかしさよ。
人は本能をけがした。
人は本能を感覚といふ名前にまでだらくさせた。
感覚といふセルロイド製の花。





底本:「日本の詩歌 26 近代詩集」中央公論社
   1970(昭和45)年4月15日初版発行
   1979(昭和54)年11月20日新訂版発行
入力:hitsuji
校正:染川隆俊
2022年10月26日作成
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