神経質に肥満した三角形

▽は俺の AMOUREUSE である

李箱




▽よ 角力に勝つた経験はどれ丈あるか。

▽よ 見れば外套にブツつゝまれた背面しかないよ。

▽よ 俺はその呼吸に砕かれた楽器である。

 俺に如何なる孤独は訪れ来様とも俺は××しないことであらう。であればこそ。
 俺の生涯は原色に似て豊富である。

しかるに俺はキヤラバンだと。
しかるに俺はキヤラバンだと。
一九三一、六、一





底本:「李箱作品集成」作品社
   2006(平成18)年9月15日第1刷発行
底本の親本:「朝鮮と建築 第十集第八号」朝鮮建築会
   1931(昭和6)年8月
初出:「朝鮮と建築 第十集第八号」朝鮮建築会
   1931(昭和6)年8月
入力:坂本真一
校正:きゅうり
2018年8月28日作成
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