線に関する覚書2

李箱




1+3
3+1
3+1 1+3
1+3 3+1
1+3 1+3
3+1 3+1
3+1
1+3

線上の一点 A
線上の一点 B
線上の一点 C

A+B+C=A
A+B+C=B
A+B+C=C

二線の交点 A
三線の交点 B
数線の交点 C

3+1
1+3
1+3 3+1
3+1 1+3
3+1 3+1
1+3 1+3
1+3
3+1

(太陽光線は、凸レンズのために収斂光線となり一点において赫々と光り赫々と燃えた、太初の僥倖は何よりも大気の層と層とのなす層をして凸レンズたらしめなかつたことにあることを思ふと楽しい、幾何学は凸レンズの様な火遊びではなからうか、ユウクリトは死んだ今日ユウクリトの焦点は到る処において人文の脳髄を枯草の様に焼却する収斂作用を羅列することに依り最大の収斂作用を促す危険を促す、人は絶望せよ、人は誕生せよ、人は誕生せよ、人は絶望せよ)
一九三一、九、一一





底本:「李箱作品集成」作品社
   2006(平成18)年9月15日第1刷発行
底本の親本:「朝鮮と建築 第十集第十号」朝鮮建築会
   1931(昭和6)年10月
初出:「朝鮮と建築 第十集第十号」朝鮮建築会
   1931(昭和6)年10月
※底本の編者による語注は省略しました。
入力:坂本真一
校正:きゅうり
2020年3月28日作成
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