わが画
末吉安持
思はずも筆はしり
忽ちに
画
(
ゑ
)
は成りぬ。
この時に涙ぞくだる。われながら
芸の力に泣きぬるか。
き
と見れば、あさましや、
をののきに
眼
(
め
)
ぞ
眩
(
くら
)
む。
むくつけき
斑
(
まだら
)
の
獣
(
けもの
)
尾を曳きて
面
(
おも
)
には君をゑがきたり。
やがて
画
(
ゑ
)
は炉の
中
(
うち
)
に
燃えながら且つ泣きぬ。
ああされど、偽らざりき、わが心
思ふはげにも
然
(
さ
)
なりける。
底本:「沖縄文学全集 第1巻 詩
」国書刊行会
1991(平成3)年6月6日第1刷
入力:坂本真一
校正:フクポー
2018年8月28日作成
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