しやうりの歌
末吉安持
闇の幕危く垂れて
二十八宿
星座揺ぎ
滅亡の
香凄う乱るゝ
古寺の
屋根に
嬉しや
白鵠の夢は
醒めたり、
あな嬉し
霊の
御告、
白鵠は夢より醒めぬ
頼しく
威ある瞳に
喙の
結びたゞしく
みがまへて
睨むか闇を、
平和の
気温く
密なる
巣の
真隅、

を
吐いて
金鱗の
閃き
寒う
蜿りたる
地獄の
私生児
うとましの
怪物、
鎌首
巣の
雛の
機を
窺ひて
倚り
打たむ
危の
刹那、
星明り白く乱れて
一
叫び闇を裂きしか
虚空高く
霊の羽ばたき
劫運の
恐怖の
帳
曙の
神矢に
落ちて
生命の気
漲ぎる
朝
白銀の
翅ゆるかに
天がける
霊鳥見ずや、
鎌首はかぼそくしびれ
大権威、
朝の
光明に
褪せはてし
鱗を
晒し
雛鳥に
眼を
啄かれて
儚なげの
息絶えざまや、
あら仰げ勝利の
霊は
白金の
翅気高う
子等連て
朝明くゆる
大空の「
栄光」が
招/″\に
悠かに
群れとび去りぬ。
●表記について
- このファイルは W3C 勧告 XHTML1.1 にそった形式で作成されています。
- 「くの字点」をのぞくJIS X 0213にある文字は、画像化して埋め込みました。