負ける
そいつが負けたんだ
そいつが負けたんだ
兄弟、そいつが負けたんだぞ!
誰れが
あいつらに妥協を頼んだ
誰れが
ゼネストだ!
全線へおっぴろがった……
横浜へ京都へ大阪へ神戸へ
火がついた!
そいつを真先にもみ消したなあど
死ぬまで闘う! と
突き上げた拳の下で
怒りに燃え立ったお前達じゃねえか
そいつが六日間
そいつがたった六日間
たった六日間にど奴がしたんだ
ダラ幹だ!
社会民主々義者だ!
当り前よ
だが、ダラ幹に任かしたなあ誰れだ?
一度しくじった道を
二度と踏むな!
おいらは
おいらの腕を信じろ
おいらの闘いは
勝利か死だ!
ダラ幹を叩き出せ
社会民主々義者をのしちまえ!
おいらの勝利は
そっからだ
兄弟!
腕を離すな!
次の闘いに備えるんだ
密集しろ!
革命的労働者の戦列に
おいらの勝利は
そっからだ
(東京市電ストライキ惨敗の日に。)
(『戦旗』一九三〇年六月号に発表)