労働者大会

根岸正吉




青年会館の正門へ※(感嘆符二つ、1-8-75)
要求は簡単である。
目的は単一である。

屋内が満員ならば、
屋外に入れよ。
門内は人子一人なき寂寞である。

之こそは
今宵こよい此地に集れる
幾千人の要求である。
それを遮る警官に
もはや理屈は不要である。

只青年会館の正門へ。
(発表誌不詳『どん底で歌う』を底本)





底本:「日本プロレタリア文学集・38 プロレタリア詩集(一)」新日本出版社
   1987(昭和62)年5月25日初版
底本の親本:「どん底で歌う」日本評論社
   1920(大正9)年5月
入力:坂本真一
校正:雪森
2015年5月24日作成
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