森川義信




どこかに妹がきてゐる
tom・tomとゴムまりをついてゐる
ぼくの心のゴムまりを
妹はtom・tomとだまつてついてゐる

もうとどかない花の日がぬれてゐる
思ふことがみんな童話になつてはくづれてゆく
ふるいオルゴオルのふるい折返しからの歌よ
こはれた心のひびきよ ふるさとの声よ 雨の音よ





底本:「増補 森川義信詩集」国文社
   1991(平成3)年1月10日初版発行
初出:「ルバル 15集」
   1938(昭和13)年7月
※初出時の署名は「山川章」です。
入力:坂本真一
校正:フクポー
2018年5月27日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(https://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。




●表記について


●図書カード