〔星は夢の様に〕

森川義信




星は夢の様に美しくかなしい
星は思ひ出の様になつかしくわびしい
故里を遠くはなれた旅人は星を見れば
故里を思ひ出すだらう――
  明り星の出てゐる故里の山を
  星の様にやさしく星の様に
  うるんだ父母の瞳を……
妹よ!窓をしめてくれ星が流れる星が
妹よ!窓をしめてくれ――又思ひ出してはならぬものを思ひ出すだらうから





底本:「増補 森川義信詩集」国文社
   1991(平成3)年1月10日初版発行
初出:「ながれ」
   1935(昭和10)年4月、5月
※〔〕付きの副題は、作品の冒頭をとって、ファイル作成時に加えたものです。
入力:坂本真一
校正:フクポー
2020年9月28日作成
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