さびし

山口芳光




吾は思ふ 淋しさを
吾は思ふ 愛の淋しきを

吾は思ふなり 母の愛を
吾は思ふなり 友の愛を
ああ いかなるえにしあればぞ
母、吾を生み
いかなるえにしあればぞ
君又吾と知り 今吾が為に
かくも真心もて看護みとりの氷嚢など取り返へゐるぞ

吾は思ふなり 愛の淋しきを
吾は思ふなり 大空の寂寥を
ああ 淋し淋し
いかなればぞ 母、吾を愛し
いかなればぞ 友、吾を愛す





底本:「沖縄文学全集 第1巻 詩※(ローマ数字1、1-13-21)」国書刊行会
   1991(平成3)年6月6日第1刷
入力:坂本真一
校正:フクポー
2018年2月25日作成
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