玉盃の曲
漢那浪笛
ふくよかの顔面あげて
紅潮の浜にさすごと
華やかの笑みひろごりて
まなざしの光すゞしく
わが胸の奥には深く
よろこびの影こそ跳れ
わが耳に絃づる歌は
鶯の啼く音をこめね
あたたかき玉の腕に
瑠璃色の酒瓶たたけば
白百合の花よりすべる
露のごと湧くや甘酒
玉盃の縁にあふれて
白銀や黄金の花の
そこゐには咲きそむものと
口ごもる若き恋人
手をのべて盃をうくれば
わが心天の永久春
美しき追憶ばかり
絃かけぬ心をゆする
新たなる生命の花の
色馨る唇よせて
玉盃の縁にあつれば
われならぬ影こそ映れ
なめらかなうまらの酒を
喉笛にそとすべらせば
血の浪の生々ゆらぎ
天地に吾が脈かよふ
●表記について
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