母はとほい

仲村渠




障子はあけなくとも
アンテナは光つてゐようぞ
母よ 三郎さんでえはおめざが欲しい
二十三にもなつたので自転車ものりたくない
朝は街のすみにも光つてゐますが
母よ 三郎さんでえはおめざが欲しい





底本:「沖縄文学全集 第1巻 詩※(ローマ数字1、1-13-21)」国書刊行会
   1991(平成3)年6月6日第1刷
入力:坂本真一
校正:良本典代
2017年6月25日作成
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