そらもよう
 


2023年01月01日 『電子アーカイヴ』はしばし電気をためて夢を見る
青空文庫は創設5年目である2002年9月に、その作品管理の仕組みをデータベース化し、ボランティアの手で入力・点検・校正した電子テキストを日々公開する体制を整えました。
この導入は、青空文庫のボランティア活動を支えるだけでなく、その省力化を測るものでもあり、そのおかげで青空文庫は長く続けることができたと言えます。

とはいえ、デジタル技術も作業の実際も、時とともに大きく変わり、それから20年のあいだに現状のテクノロジーや活動に合わなくなるところも大きくなりました。
また、途中開発されてきた各種ツールなどの支援はあるものの、手作業や余分な工程が必要となるところも多々現れ始め、ボランティア各人にとっての負担も次第に大きくなっていきました。

そろそろ古びた建屋をあらためて作り直すときがやってきたのでしょう。
新しいサーバと管理データベース、そして運営システムの構築については、2017年の青空文庫20周年を節目として、水面下で着実に進めてきており、まずは同年3月にはサーバの老朽化に伴うクラウドへ移管、翌2018年3月にはサイトのSSL化が行われました。

あいだにコロナ禍を挟み、予期せぬ利用の増加もありましたが、一方で活動の制限が開発準備にも大きく影響を与えたことも確かで、さらにボランティア作業への負荷もどんどんと積み重なっていきました。
しかしながら2021年末にはようやく、デジタルアーカイブ等の横断検索サイト「ジャパンサーチ」(https://jpsearch.go.jp/)との連携予定と、それと機を一にした次期青空文庫データベースの開発に際しての「青空文庫収録ファイルの取り扱い規準」と「作家別作品一覧CSVファイル」の改訂対応についても事前アナウンスできました。

そして昨年末に予告したように、本年元旦より青空文庫の「式年遷宮」の準備とその検証、そして移行を目指して本格的な作業を開始いたします。
そのなかで、現在運用中のシステムやサーバを休止させる必要があるため、同時にわたしたちボランティアの作業フローも合わせていったんお休みさせなければいけません。
青空文庫では、おそらく長期にわたるであろうこのお休みの日々を電子アーカイヴの「充電期間」としてまずは1年間設定した上で、上述の2点に関して、そのおおまかな内容をご説明したいと思います。

「式年遷宮」については、多くのみなさんからの寄付を積み立てた「本の未来基金」からの資金援助を得ながら、以下のステップを順次進めていく予定です。
 ・新年後の早い段階で、青空文庫のメールシステムの更新(数日メールの受領がしにくくなる時期が生じます)
 ・メールシステム更新後、システムの確認と新しい共同ワークスペースの検証
 ・耕作員向けの情報交換掲示板等の開放
 ・耕作員向けのファイルアップロードシステムの準備と導入
 ・新データベースシステムの準備と検証
 ・新データベースシステムの追加要件のまとめと改造
 ・新データベースシステムの運用試行
 ・新データベースシステムへの引っ越しと青空文庫の改装
 ・新データベースシステムの本運用開始

一時休止する作業フローのうち、「入力申請」「校正申請」については、以下のような対応を取ります。
 ・新年1月1日から reception サーバ(「作業着手連絡システム」)による新規申請の受付休止

点検の要である「入力・校正ファイルの受領」については、以下の対応になります。
 ・新年1月1日から未作業分の受領後点検の休止(入力完了ファイルについては順次「校正待ち(点検前)」、校正後ファイルについては管理上いったん「非公開」ステータスの扱いとなります)
 ・受領後点検と「校了」ステータスの完全再開は、新データベースシステムの本運用開始と高品質ファイル作成に目処がついてから

そのほか、著作権ありの作品を取り扱う「翻訳作品登録」の受付や、誤植指摘については、以下の方針で対応を継続します。
 ・これまで reception@aozora.gr.jp でしていた業務を、info@aogora.gr.jp で代行

日々行ってきた「作品公開」については、昨年末の予告にもあった通り、ペースを落として継続する予定です。
 ・公開用サイト(https://www.aozora.gr.jp/)はこれまで通り今後も常時開館
 ・昨年末までに受領点検の終わった校了作品を対象として、月10本を目安に作品の新規公開を予定
 ・翻訳登録作品は、随時公開予定に挿入

なお活動の見直しに伴い、みなさんから寄せられた作業連絡や問合せにの返信について一部保留しておりますが、個別の事情や進捗に鑑みながら徐々に返信を再開していきます(メールシステムの更新後になることもあります)。
その際、ファイルの再確認・再入力・再校正をお願いしたりする場合もありますが、よろしくご協力ください。

そして、新システムの準備中には、耕作員から特務チームを募るとともに、耕作員向けの作業用ワークスペースの提供も行って、作業品質の向上と情報交換の円滑化を測りたいと考えています。

それぞれのタイミングと詳細については、作業の進捗に従って、随時この「そらもよう」でも告知して参りますので、よろしくお願い申し上げます。
また、そのときどきの状況によって、上述の内容・予定は変わることがありますので、あらかじめご了承ください。

青空文庫という電子アーカイヴのバックヤードである管理棟は、設備と建物のリニューアルのためにいったん長いお休みをいただきたいと思います。
そしてその改装準備・作業・復帰準備のあいだは、なるべく省力化して、次なる発展のための充電を行いつつ、活動を続ける所存です。
ただし、どうせ眠るのであれば、できるだけ明るい夢を見たいと考えています。
そのなかで、またさまざまなことが生じてくるかと存じますが、青空文庫に関わる皆々様、その夢とお付き合いのほどお願い申し上げます。


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