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どうもみなさんこんにちは、もう何だか花粉症でぼろぼろだから投稿遅れましたと言い訳したいわたくしではありますが、なにぶん年度末ですからね。さて今月も1日から4日あたりに発売になってるはずのマンガ雑誌「月刊ヤングエース」(角川書店刊)に連載中『文豪ストレイドッグス』(原作:朝霧カフカ/作画:春河35)にかこつけて、色々紹介なんぞしちゃいますのでどうぞよろしくお願い申し上げます。
今回は、思わぬ罠にはまって窮地に陥っている中島くんたち武装探偵社の面々ですが、そんななか太宰さんの隠された過去が明らかになります。というわけで、ちょっと太宰治の作品紹介を。
太宰といえば、未だにある種のだめ人間の極みとして一部から絶大な人気を誇っておりますが、作品としてはどこか感傷的な自虐が満ちているものも少なくなく、そういったものは人の心が脆く柔く崩れそうな時に琴線に触れやすくなるような気も致します。だからこそ野良犬キャラの「中島」くんには、ここぞというときに太宰さんが必要なのかもしれません。個人的に印象に残っている短編は、「フォスフォレッセンス」「待つ」「葉桜と魔笛」あたりでしょうか。ちなみに後者ふたつは有志によってノベルゲーム化もされていたりします(「待つ」「葉桜と魔笛」:Vector)。現代のサブカル的なものとの相性がいいのは、太宰のそういう側面に共感しやすいというのもあるのでしょう。
感傷といえば、処女単行本に自己言及した「「晩年」に就いて」もすさまじいものがありますが、とはいえそれだけではなく、やはりのらりくらりつかみ所のない、どこから本気なのかそうでないのかわからない、おのれを思い詰めるようでいて唐突に自分を棚に上げる、どの口でゆうとんねん、という、あのどうしようもなさも魅力のひとつでもあります。「禁酒の心」とか「美男子と煙草」とかほんとアレでアレな感じです。ほんまに。
というわけで、今挙げたいくつかは、「人間失格」や「走れメロス」しか知らないような方々へのお勧めということで。このあたりを読めば、もうちょっとキャラとしての「太宰」がわかりやすくなるかも。さらにさらに、文字なんかしんどい、という向きには、ネットサービスのパブーさんには、太宰作品をコミカライズしてみたものが色々ございますよ!と耳打ちする次第です。