『文豪ストレイドッグス』×青空文庫 勝手に応援#6
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カテゴリー:,青空文庫 | 投稿者:OKUBO Yu | 投稿日:2013年5月1日 |

どうも皆様こんにちは、今月も! 単行本発売と同時に話題沸騰、緊急重版もかかったという、マンガ雑誌「月刊ヤングエース」(角川書店刊)に連載中『文豪ストレイドッグス』(原作:朝霧カフカ/作画:春河35)の応援記事を、(ナタリーに比べて圧倒的に支援効果が少ないことを承知しつつも)性懲りもなく書きたいと思います。

今月は、ついに満を持して、江戸川乱歩さんの活躍が!

……と、ここでこれからお読みになる方へ向けて、ひとつ問題。キャラとしての江戸川乱歩さんは、『超推理』という能力を有していらっしゃるそうなのですが、「この『超推理』とはいったいどんなものなのでしょうか?」

ヒント:「江戸川さんだけどうして能力名が『作品由来の名』ではないのか」

きっと乱歩さんばりの『超推理』があれば、このヒントからだけでも、きっとおわかりになるのではないかな、と思ったり思わなかったり。twitterでも発売以降あれやこれやと設定に対するツイートがありましたが、「こんな作家がキャラになったら(そして特殊能力を持ったら)」という妄想は楽しいものですよね。

作家としての江戸川乱歩というと、世代的に印象が変わったりも致しましょうが、自分の年代で行くと、初めて触れたのは星護[演出]で数作TV放送された「名探偵 明智小五郎」シリーズ、ジェレミー・ブレットばりの大きな舞台的身振りを駆使して陣内孝則が主演を務めた、かの名作でのことです。

その後の印象としては、やはり「二銭銅貨」でしょうか。わたくしが県立図書館の書庫にあった『新青年』の復刻版合本を、台車で何十冊と出してもらい、開館から閉館の時間まで片っ端から読み耽っていた時のことです(お金がなかった学生時代はよくこういうことをしておりました)。たくさんの記事・書き物のなかから、翻訳探偵小説を拾って読み進めていくと、(増刊号の特集を挟みながら)だんだんとその割合が増えていくのですが、次第に集中力の途切れてきた大正12年の号に達したあたりで、ふっと現れたのです、あの江戸川乱歩「二銭銅貨」が。

確かその号には和物洋物もあったのですが、そちらはほとんど記憶になく、「二銭銅貨」の鮮烈さだけが今にも頭に残るのみ。青空文庫には、その際併載された小酒井不木による「「二銭銅貨」を読む」が公開されています。ちなみにその解説文中触れられている「黄金虫」「舞踏人形」「うつろの針」いずれも公開中。江戸川乱歩当人の著作権はまだ有効ですから、当の「二銭銅貨」はございませんが。

とはいえ作品はなくても、平林初之輔「江戸川乱歩」「日本の近代的探偵小説――特に江戸川乱歩氏に就て――」「『心理試験』を読む」や夢野久作「江戸川乱歩氏に対する私の感想」、小酒井不木「江戸川氏と私」「「心理試験」序」などから往時の乱歩を多少なりとも感じられます。また坂口安吾は、パズル的なミステリィを支持するエッセイ「探偵小説とは」のなかで、

江戸川乱歩氏などは、日本の探偵作家に稀れな論理的な頭脳を持った作家で[…]

と評したりなんかしていて、こういうのはキャラとしての乱歩さんに通じやすいところかもしれません。ほかにも海外推理小説の紹介者としての江戸川乱歩は、青空文庫の公開中・作業中の様々な海外文芸の古い翻訳に直接・間接に影響を及ぼしたりもしておりますので、そちらを見て頂くのも一興かと。

しかし、乱歩ファンの方は、なぜ彼の能力がかの大書庫・大書斎であるところの「幻影城」ではないのだ! とお嘆きであるかもしれません。でもそれだと下手するとその能力が某禁書目録さんとかぶ……っ、……んーんん、何でもありませんっと。


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