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というわけで、twitterで展開されました先日のカードバトルの続編みたいなものの、まとめ。
そもそもは、山中湖情報創造館さんで実験的に試みられている「青空文庫を図書館に」という企画がありまして、電子データである青空文庫のコンテンツをどうやって目に見える形で開架するか、というアイデアが大元にあります。詳しい事はリンク先の写真をご覧頂きたいのですが、最初は「ポストカード+図書館用バーコード」というものだったのが、扱いやすさや作りやすさの観点から「名刺サイズのカード+QRコード」をフォルダに入れる、という形に。
その現物を先日あったイベントで拝見して色々お話ししているうちに、このあいだのカードバトルの記事ができあがったのですが、ふと仁愛女子短期大学附属図書館で「青空文庫表紙コンテスト」が行われていたのを思い出し、そういった画像がクリエイティブコモンズで共有できれば、色んな方々の描いたカードが収められそうだな……と、そしてそういった様々な文芸・文豪トレーディングカードがあれば楽しそうだな、1枚のカードにある作家の1作品が結びついていて(QRコードつき)、それを人にあげることで成立する作品紹介の文化、なんて本の貸し借りよりももうちょっとフランクな感じでいいかな、とか思いまして。
作ってしまいました。
表面はこんな感じです。装画+QRコード(青空文庫の図書カードのURLです)。
表紙絵は、かつてbookYARDで行われていた「青空文庫作品 表紙イラスト画像投稿」という企画から、クリエイティブコモンズライセンスに基づいてお借りしております(ありがとうございました)。これは、青空文庫にみんなで表紙をつけてみようっていう企画だったんですが、そのまま埋もれるにはもったいない出来でしたので今回使わせて頂きました。
結構それっぽい仕上がり!
実際にtwitterでの反応も上々でした。
そして以下は、その他のカード。少しバラエティに富んだものになるよう意識的にいろいろ種類を作りました。
裏面については、文豪の肖像+人物解説(写真はwikipediaから、文章は青空文庫図書カードから転載)。梶井基次郎の顔写真がないのは仕様です。
そして青空文庫トレーディングカードを名刺用紙に印刷してみました。普通紙だけどそれなりに綺麗。そして切り離して広げてみました。
これらのトレーディングカードは私に会うともらえます(たぶん)。本当はトレードだから交換したいのでみなさんぜひ作りましょう(個人でもビジネスでもどちらでも可)。
利点としては、実際に読むのは電子の本だとしても、それでいてカードという紙の実体を介することでそれなりに担保される物質感が、ある種の安心感みたいなものを保障したり可視化したりする、みたいなものがあるんじゃないかな、と思ったり。
「青空文庫に表紙を付ける」といっても、元々が電子本なので、「どこにつけるの?」という疑問もあるかなと思うのですが、こういう形なら、すんなりと実現できちゃうのではないかな、と考えました。
はじめまして。
実は、仁愛女子短期大学附属図書館で「青空文庫表紙コンテスト」の企画を担当している者です。
記事中で本館の企画に触れていただき、大変嬉しく思っております。
さて、記事中にありました青空文庫の表紙画像を、トレーディングカードと結びつけるというアイデア、非常に面白いですね。ポストカード、あるいは名刺サイズのカードと、表紙画像、そしてQRコードの3つを結びつけることで、古い文学作品が新しくよみがえるような、非常にすばらしい方法だと思います。
コンテストに応募していただいた表紙画像を、今後どのように保存していくのが良いのかということについて、頭を悩ませておりました所、このような方法があったか!と、目からウロコの思いでした。
リンク先の「青空文庫を図書館に」に掲載されている具体例を含め、非常に参考になりましたので、一言御礼を言いたいと思いまして、コメントをさせていただきました。