校正の楽しみ
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カテゴリー:,電子書籍,青空文庫 | 投稿者:AOZORA TPP問題 | 投稿日:2014年10月6日 |
執筆者:雪森

青空文庫の一読者だった私が、校正をするようになったのは、富田倫生さんが週刊エコノミストで、未校正の作品が溜まっていると話されているのを読んだからです。もうじき2年になります。やり始めて感じたのは、校正をすれば、その作品は早晩公開されます。誰かが校正してくれるまではいつまでも公開されない入力作業よりやりがいがあるということでした。

校正待ちのリストを眺めながら、校正待ちの多い作者を選び、作品名リストを開きます。作品名でおよその傾向がわかるので、興味があるものであれば底本を確認します。底本がないと校正できないので、底本が図書館にあるか確認し(田舎暮らしのため、図書館で見つかる底本は滅多にありません)、アマゾンの古本価格を見て、送料込みで1000円以下のものがあれば取り寄せます。

こうして選んだものは、偶然プロレタリア詩人のものが多かったのです。今野大力、槇村浩、竹内浩三といった、知らなかった作家です。あまり注目されることもないと思いつつやってきましたが、今野大力については、7月に「北の詩人 小熊秀雄と今野大力」(金倉義慧著)が出版されたことを知りました。また、「アンソロジー・プロレタリア文学」という全7巻のシリーズも刊行中です。お!意外に注目されているではないですか。こうしたところから、興味を持って青空文庫にやってくる人もいるだろうと、改めて青空文庫の役割を意識しています。

幸いと言うのも変ですが、プロレタリア作家は戦前に亡くなった方が多く、著作権保護期間が70年に延長され、かつ遡及されたとしても影響を受けません。70年への延長には反対ですし、ましてやすでに一旦保護期間が切れた作家を再び保護するという「遡及」などもっての外だと思いますが。

現役の工作員が何人くらいいるかわかりませんが、孤独な作業を続けている中で、交流できる場がないものかと、投稿してみました。


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