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ぼくら ふたり(A・A・ミルン作)
“Us Two” by A. A. Milne
どこにいたって プーもいる いつだって プーとぼく なにしたって まねしたがる 「今日はどこ行く?」って プー 「おもしろいとこだよ まかせてよ いっしょに行こう」って 言うんだよ 「いっしょに行こう」って プーのやつ 「2×11は?」って プーにきく (「2×なに?」って かえすプー) 「たぶん22に なるはず」 「そうじゃないかと 思ったよ」って プー 「かけ算って そう やさしくないけどさ そうじゃないかと」って 言うんだよ 「そうじゃないかと」って プーのやつ 「ドラゴンさがしだ」って プーに言うと 「よし きた」って かえしてくるプー 川を わたると それなりに 見つかる 「ほんとに ドラゴン いるんだな」って プー 「くちばし 見たら ぴんときた そうじゃないかと」って 言うんだよ 「そうじゃないかと」って プーのやつ 「びっくりさせよう」って プーに言うと 「いいね」って かえしてくるプー 「こわくないぞ」って ぼくは言って あいつの手を ふりふり さけぶんだ「シュー! このお ドラゴンめ!」 で にげてった 「こわいもんか」って 言い出すプー 「きみと いっしょなら こわくないんだ」 だから どこにいたって プーもいる いつだって プーとぼく 「どうしよう」って プーに言うと 「きみが いなくなったら」って すると 「ひとりじゃ 楽しくなくても ふたりいっしょなら なんとかなるさ」って 言うんだよ 「そうじゃないかと」って プーのやつ (おわり)
訳者コメント
■「クマのプーさん」原作者のA・A・ミルンの著作権保護期間が満了したそうです(参照)。
■この詩 “Us Two” は、その愛くるしいぬいぐるみのプーさんが象徴的にあらわれる詩。ぬいぐるみで一人遊びする子どもにとって、そのぬいぐるみがどれだけ大事で心強いものなのかが、わかります。
■「原文の”said Pooh”のごろが良いんですよね」ってプー。
■元テキストは、先にパブリックドメインとなって公開されているカナダから(参照)。
■通勤の途中にスマホを使いつつ、twitterに挙げながら訳しました(参照1;参照2;参照3)。パブリックドメインになると、こんなこともできるわけですね。訳文は、(手持ちの全集を見るなどして)あとで見直すかもしれませんが、とりあえずリアルタイムなあしあとを。
■『鏡』も、ほんのちょっとずつ進めています。