青空文庫の作業状況 2019-2022
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カテゴリー:青空文庫 | 投稿者:おかもと | 投稿日:2022年4月30日 |

はじめに

2018年10月に「青空文庫の作業状況」https://yozora.main.jp/inp/ を公開して、3年半たちました。公開した当初は、どれだけ利用されるのか不安でしたが、最近では一日に200名程度の利用者がいるようです。どうもありがとうございます。
この3年半の間にたまったデータをもとに、青空文庫の作業状況について振り返ってみたいと思います。
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青空文庫と蔵書印
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カテゴリー:,青空文庫 | 投稿者:おかもと | 投稿日:2020年11月26日 |

蔵書印とは、その本の持ち主であることを示す印のこと。
くわしくはWikipediaを見ていただくとして、青空文庫の作者たちが、どんな蔵書印を使っていたか、国文学研究資料館「蔵書印データベース」(以下「蔵書印DB」)(2023年3月、人文情報学研究所の「蔵書印ツールコレクション」に継承)から調べてみました。(※1)

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青空文庫の作業状況
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カテゴリー:青空文庫 | 投稿者:おかもと | 投稿日:2018年10月24日 |

昨年(2017年)の10月、青空文庫のオフ会で、こんな話題がでました。

「現在入力中とか校正中といった作品の情報を、最近の分だけでもまとめてサイトに掲載したらどうか。」

青空文庫で、入力や校正の作業をしている工作員(もしくは耕作員)にとって、自分が入力・校正した作品はどうなっているのか、いつ公開されるのか、といった情報は、知りたいことの一つではないかと思います。
これについて、青空文庫からは「作業中 作家別作品一覧」というCSV形式のデータが提供されていて、これをダウンロードしてチェックすれば、その作品がどんな状況にあるか確認できるようになっています。
しかし、毎回ダウンロードしてチェックするのは面倒です。そこで、上記のような発言となったわけです。

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井沢衣水をさがせ
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カテゴリー:,青空文庫 | 投稿者:おかもと | 投稿日:2017年11月15日 |

経緯

10月15日、青空文庫のオフ会に参加してきた。その時、「せっかく校了になったのに、諸般の事情で公開できない作品」の話が出た。
そのうち、一番古いのは2002年に校了になった作品で、その作品が公開できなかった理由は、著者の没年が不明だったため、とのこと。それで、以前、青空文庫の掲示板「こもれび」で調査が行われた――と、ここまで聞いて、そういやその調査に自分も関わっていたっけ、と思い出した。
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「青空文庫分野別リスト」のサイト移転
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カテゴリー:青空文庫 | 投稿者:おかもと | 投稿日:2017年9月19日 |

「青空文庫分野別リスト」(以下「分野別リスト」)をメンテしている、おかもと と申します。
今回は、分野別リストのサイト移転について書きたいと思います。
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TPPの影響ってどれくらい?
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カテゴリー:青空文庫 | 投稿者:おかもと | 投稿日:2015年11月11日 |

TPP(環太平洋パートナーシップ協定)の大筋合意で、著作権保護期間がこれまでの50年から70年になるとのこと。
これによって青空文庫は大きな影響を受けるといわれているが、実際、どれくらい影響があるのか、今ひとつピンとこないので、ちょっと調べてみた。
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青空文庫の蔵書構成
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カテゴリー:,青空文庫 | 投稿者:おかもと | 投稿日:2014年2月28日 |

はじめに

青空文庫、インターネット上の電子図書館。2014年2月22日の時点で、12,400点の作品を公開している。
こんなにたくさん作品があると、中にどんなものがあるか、よくわからないだろう。また、よその図書館と比べて多いのか少ないのか、そのあたりもよくわからない。
そこで、青空文庫の蔵書構成がどうなっているか、数値を元に、よその図書館と比較しながらみていくことにしよう。

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伊東英子をさがせ その3
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カテゴリー:WEB, | 投稿者:おかもと | 投稿日:2012年8月18日 |

3.伊東六郎

つづいては、伊東六郎。この人のことは、文学事典に出ていた。

日本近代文学大事典 / 日本近代文学館編. — 第1巻 ; 第2巻 ; 第3巻 ; 第4巻 ; 第5巻 ; 第6巻 ; 付録. — 東京 : 講談社 , 1977.11-1978.3.

この事典の第1巻、p146に「伊東六郎」の項目がある。それによると、明治21.7.18生まれ。伊東英子は明治23.1.15の早生まれだから、学年だと1つ上。明治44年、東京帝国大学文学科に入学し、大正5年7月中退。チェーホフの翻訳をしたり、荷香のペンネームで短歌や詩も発表。また、本名で小説を発表とか、高踏書房を経営とか、いろいろなことをしていた模様。

伊東六郎の翻訳した小説は、国立国会図書館のデジタルコレクションで読むことができる。

  • アナテマ / アンドレーエフ作 ; 伊東六郎譯. — 東京 : 泰平館書店 , 1913.9.
  • 女天下 / アントン・チェホフ作 ; 伊東六郎譯. — 東京 : 新陽堂 , 1913.11.
  • バッドボーイ日記 / 伊東六郎譯. — 西大久保町 (東京府) : 高踏書房 , 1915.6.

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伊東英子をさがせ その2
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カテゴリー:WEB, | 投稿者:おかもと | 投稿日:2012年8月13日 |

2.Googleで検索

一口に「Googleで検索」といっても、実際にはイロイロあったりする。今回使ったのは、次の2つ。

  1. インターネット上に公開されているものを検索→Google検索
  2. Googleがスキャンした書籍を検索→Googleブックス

普通は1.のGoogle検索を使うが、昔のことの調査には、2.のGoogleブックスが威力を発揮する。

先の「伊東英子をさがせ その1」でいうと、「「赤い鳥」の作家たち総索引 1.作家」は1.のGoogle検索の結果で、「時事新報目録」や「泡鳴全集」は2.のGoogleブックス、といえば、多少はイメージがつかめるかな。

Googleブックスは、いわば力まかせの全文検索で、OCRスキャンの精度はイマイチなのだが、それでも丹念に見ていくと思いがけない発見があったりする。たとえば、Googleブックスで「伊東英子」を検索すると70件ほどヒットするのだが、そのうち、次の文献に注目。
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伊東英子をさがせ その1
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カテゴリー:WEB, | 投稿者:おかもと | 投稿日:2012年8月10日 |

はじめに

伊東英子。「いとう ひでこ」と読むらしい。

この人のことを知ったのは、富田倫生さんによる掲示板「こもれび」への書き込みからだった。

▼伊東英子
「水野 仙子ホームページ」は、「…島崎藤村の刊行した雑誌「處女地」で執筆していた伊東英子という方の没年を教えてください!」と呼びかけています。
http://page.freett.com/Schuricht/senko.htm

ここで紹介されたリンク先のサイトには「伊東英子作品集」というページもあり、伊東英子が、島崎藤村の刊行した雑誌「處女地」(大正11-12年に刊行)に執筆していた人だとわかる。また、「伊東英子に関する既存の情報」として、以下のように書かれていた。

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