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AppleのiPadにも青空文庫を読む専用ビュワーがいくつか出ていて、それを使ってたまに青空文庫を読むことがあるんだけど、とてもじゃないけど長い時間それを手にして読書するにはiPadは重すぎる。おそらく、感覚的には500gを切らなければ持ち続けるには辛いと思う。だから、初代iPadは新しい時代を予感させる端末として買ったとしても、iPad2は初代より軽くなったとは言えまだ500gを切ることはなかったので手を出さずにいた。
3月16日に新しいiPadが発売になった。でもやはり、重さはまだ500gを切ることはなかった。だったら今回もいいや、とスルーを決め込んでいたら、iPadで青空文庫を読むビュワーの一つであるNagisa Worksさんの「i文庫HD」が、今回の新しいiPadの売りであるRetinaディスプレイに対応したと言う。それも、すでに、だ。つまり、新しいiPadを見込んでRetinaディスプレイに対応させた「i文庫HD」を申請していて、3月16日にはダウンロード可能にしていたわけだ。それって、すごすぎる。Nagisa Worksさん、フットワークが軽すぎる。
そのRetinaディスプレイ対応の「i文庫HD」を聞いたら、いつの間にかふらふらと池袋のビックカメラに行ってしまって、そしていつの間にか新しいiPadを買っていた。そして、さっそくRetinaディスプレイに対応させた「i文庫HD」で青空文庫の作品を見てみた。
(新しいiPadと初代iPadから画面キャプチャーを撮って、パソコンでその比率に並べて画面キャプチャーを撮ったのでちょっと胡散臭いけど実質これです)
おお、これはすごい。想像以上の奇麗さだ。このキャプチャーじゃ、その臨場感はまったく伝わらないだろうけど。こういうことは、昔から言われていることをそのまま、百聞は一見に如かず。いや、本当のことを言うと、青空文庫のテキストを読むことよりも自炊した雑誌のPDFの奇麗さのほうがもっと感動したんだけど。
液晶で青空文庫を読むのは辛いとよく人は言う。それは横書きを縦書き表示にしても、文字の大きさを自由に変えられても、液晶の輝度を落としても、どんなことをしても辛い人にとっては辛いらしい。でも、その辛さの一つに解像度の問題があったんじゃないかと思う。解像度が悪いものは読みにくい。Retinaディスプレイでまた一つその辛さが克服したんじゃないかなあ。それでもまだ辛いと人は言うのかも知れないけれど。
i文庫HDは、図版一点を一ページ使って表示するようです。
72ppiでとった図版は、これまでもかなりあらが目立っていたと思うのだけれど、Retinaだとますますイカン感じでしょうか?
例えば、南方熊楠「十二支考 07 猴に関する伝説」の図版からは、どんな印象を受けますか?
「十二支考 07 猴に関する伝説」の図版はもともと鉛筆書きのようなものなので、この解像度を上げてもあまり印象は変わらないかも知れないです。ただ、キャプションの文字を読みやすくするのなら解像度を上げたほうがいいですね。