今月は、アクセス増としては特別に大きな話題はなかったようだ。新規公開作品では、期待にそぐわず吉川英治の『三国志』が特にテキスト版で大きなアクセス数を出している。詳しい分析はしていないが、『宮本武蔵』『私本　太平記』より多いようだ。

■青空文庫 ’13/06 – ’13/09 XHTML版新規公開作品一日当たりアクセス数(200超過アクセス/日)ランキング
’13/09月XHTML版の新規公開作品のうち、500位まで入った作品は25作品であった。新規公開作品数は34作品であったから、約75%である。今月の新規公開作品で注目されたのは何と言っても吉川英治の『三国志』であり、9/29に公開された『三国志 07 赤壁の巻』もランクインしている。

■青空文庫 ’13/08 – ’13/09 XHTML版 アクセス増率ランキング
今月のXHTML版のランキング増率ランキングの中ではただひとつ、島田清次郎が何かの話題になっていたなぁということを憶えていただけだった。調べてみると、8/22に風野春樹『島田清次郎 誰にも愛されなかった男』（本の雑誌社）が発行されていた。こうしてあまり知られない作家の一般に入手しがたい本が、すぐに読めるというのが、やはり青空文庫の恩恵ということが言える。
9位の夏目漱石「それから」（新字新仮名版）は先月の月末30日に公開されたばかりの作品、8月の2日間で503回アクセスされて、9月には901回アクセスされたというのは、公開後割りと早くアクセスが収束しているのかもしれない。「それから」（新字旧仮名版）は976アクセス。新仮名版と旧仮名版のアクセス数の比率が今後どうなるのか、ちょっとした興味である。

■青空文庫 ’13/08 – ’13/09 テキスト版新規公開作品一日当たりアクセス数(200超過アクセス/日)ランキング
7月新規公開作品のうち、500位内のランキングに入ったのは21作品。XHTML版より4作品少ない。その4作品は、堀辰雄「山日記その一」「近況」、伊藤左千夫「市川の桃花」、鶴彬「村へ行く」。

テキスト版でもランキング7位までは吉川英治『三国志』で、XHTML版と比べて2～4倍のアクセスがある。三国志の各巻は長編であるから、XHTML版よりもテキスト版をダウンロードしてスマフォなどの青空文庫ビューアで読むというのが読みやすいのであろう。4日ごとに公開されているが各巻を4日で読み切るのも難しいだろうから、今後もまだまだ『三国志』へのアクセスは続くであろう。

■青空文庫 ’13/08 – ’13/09　テキスト版 アクセス増率ランキング
テキスト版 アクセス増率ランキングでは、1位は夏目漱石「それから」（新字新仮名版）。8/30公開の作品だから、アクセス増となるのは当然なのだが、これはむしろ月末公開だったのに先月ランクインしているという人気の作品ということ。今後、旧字旧仮名版との競い合いが注目される。9位に織田作之助「夫婦善哉」。NHKテレビでの連続ドラマは4話完結だから、それほど効果はそれほど長く続かない。

注目に価するのは、2位の武田祐吉「古事記 04 解説」、4位の稗田阿礼/武田祐吉「古事記 03 現代語訳　古事記」。9/10に武田祐吉「古事記 01 凡例」が公開されたので、改めて古事記をアクセスした人が多かったことを意味している。

■アクセス数合計の推移
’13/09月のアクセス数はXHTML版437,255、テキスト版333,951、合計771,206。対前月比でXHTML版-11.6%、テキスト版-3.0%、合計-8%の減少である。
対前年同月比では、XHTML版98%、テキスト版83%、合計90%である。