このコーナーは、青空文庫のアクセスランキングで、前の月の新規公開作品の1日当たりアクセス数（200超過アクセス/日）と、前々月から前月へのアクセス増率の2つのランキングを作成して、公開するというものである。

表計算ソフトで計算し、ソートして結果を得ているだけなのだが、時々びっくりするような結果が出ることがある。今月の結果で驚いたのは、テキスト版アクセス増ランキングの15位までのうち14位を吉川英治作品が占めたことである。掲載する表には収められなかったが、40位までの実に36作品を吉川英治作品が占めている。

一方、XHTML版のアクセス増率ランキングでは、その傾向は全く見られない。特に「私本太平記」はランキングの中に入っていないのである。

■青空文庫 ’13/09 – ’13/10 XHTML版新規公開作品一日当たりアクセス数(200超過アクセス/日)ランキング

’13/10月XHTML版の新規公開作品のうち、500位まで入った作品は17作品であった。新規公開作品数は40作品であったから、約43%である。

今月の新規公開作品でアクセス数が多いのは、もちろん吉川英治の「三国志」シリーズであるのだが、200超アクセス/日の指数では、フリーマンの「歌う白骨」である。10/28日公開でありながら超過分アクセス/日86.50となっている。フリーマンは他に「オスカー・ブロズキー事件」が12位だった。

■青空文庫 ’13/09 – ’13/10 XHTML版 アクセス増率ランキング

芥川竜之介「谷崎潤一郎氏」がまたまたアクセス増率ランキング１位になっており、アクセス数も22356と2万台突破である。さがったり、あがったりするが、息の長い注目度である。

2位、3位は’13/09ランク外の久生十蘭「金狼」、寺田寅彦「凍雨と雨氷」。インターネットで少し検索してみたが、原因となるきっかけは探せなかった。

’13/09月公開の吉川英治「三国志」は３巻だけ。テキスト版のアクセス増率ランキングと比べると、アクセスの仕方が大きく異なることがよく分かる。

■青空文庫 ’13/09 – ’13/10 テキスト版新規公開作品一日当たりアクセス数(200超過アクセス/日)ランキング

10月新規公開作品のうち、500位内のランキングに入ったのは20作品。先月とは違ってXHTML版より3作品多い。

吉川英治「三国志」が5位までを独占。アクセス数自体は公開日順なのだが、200超アクセス/日の指数ではほぼその逆。これだと、指数の効果があるのかどうか分からない。しかし、指数を6位以下と比べれば、吉川英治「三国志」がどれほど特別かということが分かる。

吉川英治「三国志」以外では、織田作之助「夜の構図」、フリーマン「オスカー・ブロズキー事件」が注目されていると言えそうである。

■青空文庫 ’13/09 – ’13/10　テキスト版 アクセス増率ランキング

アクセス増率ランキング15位までのうち、10位の芥川竜之介「桃太郎」以外はすべて吉川英治作品である。7位までは「三国志」が独占。順位が「序」を除いて、巻数の逆順なので、一つの巻を読み終えたら、次の巻へ読み進んでいると言えそうである。

「三国志」の次には「私本太平記」が続く。「私本太平記」の方が「宮本武蔵」よりも公開日が早いことを考えてみると、「宮本武蔵」よりは「私本太平記」のほうが人気があるということだろうか。

アクセス増率ランキングの16位以下、35位までを吉川英治作品が続いている。先月にはこんな傾向はなかったから、これは「三国志」効果なのであろう。

■アクセス数合計の推移

’13/10月のアクセス数はXHTML版437,255、テキスト版333,951、合計771,206。対前月比でXHTML版-11.6%、テキスト版-3.0%、合計-8%の減少である。

対前年同月比では、XHTML版98%、テキスト版83%、合計90%である。