12月のアクセス増は特に特徴がないように思える。しいてあげればXHTML版に季節ものと言える作品がランクインしていることであろうか。なかでも11月ランク外の太宰治「十二月八日」がXHTML版アクセス増率ランキング1位になったのは注目に値する。2010年以降、「十二月八日」が500位内に入っているのは、’10/08(222)、’10/12(293)、’11/12(2515)、’12/08(231)、’12/12(282)、’13/08(284)、’13/12(2612)である。2012年と2011年、2013年とでは、違う政治状況・世界情勢であることを示しているのかもしれない。

■青空文庫 ’13/11 – ’13/12 XHTML版新規公開作品一日当たりアクセス数(200超過アクセス/日)
ランキング

’13/12月XHTML版の新規公開作品のうち、500位まで入った作品は10作品で、以前の月のより少なくなっている。新規公開作品数は41作品であったから、約25%である。

今月の新規公開作品の200超アクセス/日の指数では、1位吉川英治「大岡越前」であり、相変わらずの吉川英治人気が続いている。2位は坂口安吾「吹雪物語 ――夢と知性――」、3位「樋口 一葉「琴の音」である。

6位土田耕平「峠」は、テキスト版ではランクインしていない。

■青空文庫 ’13/11 – ’13/12 XHTML版 アクセス増率ランキング

XHTML版アクセス増率1位は太宰治「十二月八日」。季節ものではあるけれど、昨年はアクセス増ランキングにあがっていなかったから、近ごろの政治状況・世界情勢を反映していると言えそうである。3位が伊丹万作「戦争責任者の問題」というのも、同じ流れだろうか（昨年12月は15位）。もしかすると、2位の芥川竜之介「かちかち山」もそうかもしれない。

季節ものと言えるのは5位太宰治「メリイクリスマス」（昨年12月は３位）、7位ディケンズ「クリスマス・カロル」、13位樋口 一葉「大つごもり」、12位南方 熊楠「十二支考 05　馬に関する民俗と伝説」。

■青空文庫 ’13/11 – ’13/12 テキスト版新規公開作品一日当たりアクセス数(200超過アクセス/日)
ランキング

’13/12月新規公開作品のうち、500位まで入った作品は15作品。1位吉川英治「大岡越前」、2位坂口安吾「吹雪物語 ――夢と知性――」はXHTML版と同じ。3位は長岡半太郎「原子核探求の思い出 」。

XHTML版にはランキングインしていない作品のうち5作品が小川未明の作品。

■青空文庫 ’13/11 – ’13/12　テキスト版 アクセス増率ランキング

テキスト版アクセス増率ランキングでは1位は太宰治「津軽」、2位は北村透谷「罪と罰《内田不知庵訳》」、3位芥川竜之介「歯車」。

吉川英治「濞かみ浪人」、小川 未明「灰色の姉と桃色の妹」は11月末公開作品が

ダンテ「神曲」、紫式部「源氏物語」がランクに入っているのは、安定したアクセスがあるためなのだろうか。

■アクセス数合計の推移

’13/12月のアクセス数はXHTML版428,242、テキスト版328,934、合計757,176。対前月比でXHTML版95%、テキスト版91%、合計93%の減少である。

対前年同月比では、XHTML版100%、テキスト版72%、合計86%。テキスト版が減少しているのは、は青空文庫のテキスト版を直接ダウンロードしてその場でテキスト処理をするのではなく、独自のテキスト処理を加えた青空文庫由来のテキストを独自サーバからダウンロードさせるようにしているKindle、Kobo、Google Play Booksなどのサービスが普及してきているためであろう。